【9割が知らない】緩和ケアの限界とは?│日本の終末期医療で“痛みが残る理由”|約20%に苦痛が残る現実
- リップディー(RiP:D)

- 2025年9月29日
- 読了時間: 12分
更新日:4月28日
※最終更新日:2026年4月28日(随時更新)
👉 安楽死の基本的な仕組みや全体像を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
👉 緩和ケアと鎮静についての基本的な仕組みや全体像を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
多くの人は、「緩和ケアがあれば苦しまずに最期を迎えられる」と考えています。
しかし実際には、
緩和ケアを受けてもなお、
強い痛みや苦しみが残るケースが一定数存在
します。
緩和ケアは多くの人を救いますが、
しかし、“すべての苦しみ”を取り除けるわけではありません。
本記事では、日本および海外のデータや医療報告をもとに、緩和ケアの限界がどこにあるのかを明らかにし、なぜそれでも救えない苦痛が存在するのかを解説します。
さらに、その先にある「選択肢」として議論される安楽死との関係についても、整理していきます。
👉 緩和ケアの基本や仕組みはこちら
🎧音声による動画解説
要約図(自由使用可)

緩和ケアの限界 ― 日本の終末期医療が抱える構造的課題│海外データから見る終末期医療の現実
緩和ケアの限界を伝えるイギリス下院
まずは、こちらの4分16秒間の動画を御覧ください。
これはイギリス下院議会で、
安楽死法案を前進するにあたって提出された報告書の資料をもとに、
国会議論されている様子です。



報告書の具体的内容
イギリス下院議会に提出された報告書とは、こちらになります。


(PDFでレポートをダウンロードすることも可↑)

『第4章』に注目しましょう
イギリスの緩和ケア


上記の要約:
2019年に公表された医療経済局の報告書は、緩和ケアにおいて患者の痛みを適切にコントロールすることの難しさについて、豊富なエビデンスが存在することを指摘。
その一例として、イングランドにおける最新の調査(Royal College of Physicians, 2016)では、
症例記録の73%について詳細なレビューを行った結果、
全体の79%では痛みが十分にコントロールされていた一方で、
病院で亡くなった緩和ケア患者の21%に、
痛みが緩和されないまま残っていた
ことが報告されている。
さらに、この「痛みが緩和されていない割合」は、病院で亡くなった患者の家族・介護者を対象に実施された VOICES 調査(Office for National Statistics, 2016b)とも比較可能。
VOICES 調査では、次の結果が示されている。
最大32%の患者において、
痛みが完全には緩和されていなかった
その内訳として、
4%は痛みが全く和らいでいなかった
28%は痛みが部分的にのみ緩和されていた
⇩
つまり緩和ケアを受けたにも関わらず、
約20%~30%の患者は『苦痛死』
していることです。
冒頭の動画は、それを指摘して
「終末期医療には緩和ケアだけあれば十分は間違い。
上記のデータがあるからこそ安楽死制度が必要である」
と訴えています。
※👉 緩和ケアの限界についての証言集はこちらからご覧ください↓
安楽死合法国の緩和ケア
・カナダの例


👇 カナダについての現状と詳細なデータは、こちらに集約しています
上記の要約:
カナダ保健省が2022年に公表した最新の報告書(対象データは2021年)によれば、医師による安楽死を選択した人のうち
過半数である 80.7%が、
すでに緩和ケアを受けていた
ことが示されています。
なお、この傾向は過去数年と大きく変わらず、2019年は 82.1%、2020年は 82.8%と、
いずれの年も同様の割合でした。
さらに、安楽死で亡くなられた人の
52.6%が1か月以上にわたり
緩和ケアサービスを受けていた
ことも報告されています。
この点についても、2019年および2020年とほぼ同水準。
つまり、きちんと緩和ケアを受けたはずの多くの患者は、それでも
「安楽死サービスを利用している」
ということになります。
ニュージーランド、オーストラリア、アメリカの例


上記の要約:
ニュージーランド、ビクトリア州、西オーストラリア州では、
安楽死の申請者の大半が、事前に緩和ケアへアクセスしている。その割合は、
ニュージーランドで76%
ビクトリア州で81%、
西オーストラリア州で85.3%に達する。
また、西オーストラリア州のフェリンガム医師は、
安楽死を希望する患者の約95%が質の高い緩和ケアを受けていると述べ、彼らが死を選ぶ理由は「緩和ケア不足」ではなく、
尊厳・自律性の喪失や実存的な苦痛といった、
緩和ケアでも解消が難しい深い絶望に起因することが多い
と指摘している。
※👉オーストラリアの安楽死の全体像は、こちらで詳しく解説しています↓
※👉ニュージーランドの安楽死の全体像は、こちらで詳しく解説しています↓
同様に、アメリカ・オレゴン州でも状況は一致しており、
1997年〜2021年に安楽死を利用した人の90%以上がホスピスに登録しており、
2021年には98%がホスピス利用者であった。
つまり、安楽死を求める人の多くは、
すでに十分な緩和ケアを受けているにもかかわらず、
解消できない苦痛を抱えている
という傾向が共通して確認されている。
※👉 アメリカ(オレゴン州)の安楽死の申請から実施までの全プロセスを知りたい方は、こちら↓
⇩
このように緩和ケアには限界があるのは事実ですが、日本の緩和ケア医は、
それを決して認めようとしません。それどころか
「緩和ケアをどんどん普及させれば、
皆さん安らかに亡くなれますよ」
「緩和ケアがあれば、
スイスへ自殺しに行く必要などありませんよ」
と各メディアでプロパガンダしている始末です。
👉 緩和ケア医の安楽死を反対する特性を知りたい方は、こちらをご覧ください↓
ここまでの緩和ケアの限界を伝える世界の国々まとめ│ 海外データから見る終末期医療の現実
イギリス:
・病院で緩和ケアを受けた患者の21%で痛みが完全にコントロールできず、32%は部分的にしか緩和されない(Royal College of Physicians, 2016; VOICES調査, 2016)
・がん患者の10~15%が治療抵抗性疼痛(※緩和薬剤が効かない痛み)を抱え、自己申告では最大30%が痛みを訴え続ける
・最適なホスピスケアを受けても年間5万709人が何らかの痛みを残して亡くなり、そのうち5,298人が最後の3ヶ月で全く緩和されない(Office for Health Economicsモデル)
・患者の証言では、「最高のケアを受けても耐え難い痛みと絶望が続き、動物を人間よりマシに扱っているよう」との声が多くあり、MS患者は「出口のない痛み」で自殺計画を立てるケースも報告されている(Dr. Matthew Doréの証言:「最善努力でも症状管理不能で苦しみを延長」)
*安楽死・尊厳死が合法化されている国々
(すべて緩和ケア受診率70~95%と極めて高い国々)
カナダ:
・利用者の77.6%が緩和ケアを受けていたにもかかわらずMAID(※いわゆる安楽死)を選択し、40%が1ヶ月未満の短期間しか利用せず、16.8%はアクセス可能だったのに拒否。
オレゴン州(米国):
利用者の91.4%がホスピス・緩和ケアに入所中で、46%がケア介入で安楽死を取りやめる一方、
15%は変わらず安楽死を選択。
家族への負担(48%)や治療費の懸念(125件が報告)などが理由で、件数は増加(2022年: 死因の0.6%)
オーストラリア(ビクトリア州):
81%が緩和ケアを受けていたが、2023年6月までの申請者の内306件中76%が末期がん患者で、処方後66%が実際に使用。
「自己喪失や尊厳の喪失」などの心の苦しみがケアに抵抗を示す。
ベルギー・オランダ:
合法化後に政府が緩和ケア予算を倍増させたが、
安楽死件数はむしろ増加(ベルギー2021年: 2,700件、がん62.8%、神経疾患7.9% / オランダ2022年: 8,720件、死因5%、がん57.8%、神経疾患7.0%、精神疾患1.3%)。
精神疾患によるケースからも、心の深い苦しみ(絶望感)が緩和ケアの限界を示している。
欧州緩和ケア学会(EAPC)2019年報告:
EAPCは、欧州27か国・約3万件の緩和症例を調査した上で、
・末期がん患者の 15〜30% は “最適治療を尽くしても”完全な疼痛緩和に達しない
・神経障害性疼痛を伴う患者の 20〜40% は難治性の痛みを抱え続ける
と結論づけている。
👉出典:
・「ヨーロッパの緩和ケアユニットにおける痛みと痛み治療。欧州緩和ケア研究ネットワーク(PubMed)による横断調査」
・「がん患者の神経障害性疼痛の分類:デルファイ専門家調査報告書およびEAPC/IASPによる診断基準アルゴリズム提案 - PubMed」
WHO Technical Report(2018):
WHOは世界調査の中で
“難治性疼痛(refractory pain)”が発生するのは全末期患者の約10〜20%
モルヒネ・フェンタニル等のオピオイドでも、痛みの消失ではなく「減少」にとどまる症例が一定割合存在
身体が薬物に順応し、耐性上昇が起きると副作用ばかり増えるという構造的問題を明記している。
👉 出典:
・「Recommendations for the Pharmacological and Radiotherapeutic Management of Cancer Pain in Adults and Adolescents - WHO Guidelines for the Pharmacological and Radiotherapeutic Management of Cancer Pain in Adults and Adolescents - NCBI Bookshelf」
・「下部食道および心臓腺癌の骨および軟部組織転移による難治性がんの鎮痛治療:症例報告」→ https://journals.lww.com/md-journal/fulltext/2025/05160/analgesic_treatment_of_refractory_cancer_pain.51.aspx?utm_source=chatgpt.com
👉 世界各国の安楽死制度を知りたい方は、はこちらで解説しています↓
👉 海外の、安楽死の支持率はこちらで解説しています↓
痛み以外の“緩和困難な苦痛”の実在
(緩和ケアは痛み以上に、呼吸困難・倦怠感・存在的苦悩に対しても効果が限定)

呼吸困難(dyspnea)
The Lancet Respiratory Medicine(2017)
・末期患者の 65〜70% が呼吸苦を経験
・そのうち 25〜35% が“薬物治療に十分反応しない”
・オピオイド・酸素療法・ステロイドの併用でも“完全緩和は極めて困難”
倦怠感・全身衰弱(fatigue)
Journal of Pain and Symptom Management(2020)
・緩和ケアにおける倦怠感の平均改善率:20〜30%
・つまり 70〜80% は「症状は残ったまま」
存在的苦悩(実存的な苦痛)(existential suffering)
カナダMAID事例解析(2021)安楽死希望者の主訴の上位は以下:
1.尊厳の喪失(87.7%)
2.自立機能の消失(86.3%)
3.活動性の喪失(83.4%)
4.苦痛の制御不能(57.6%)
これは「痛み」が直接の主因ではなく、
“人としての存在が破壊されていくこと”こそが最も重大な苦悩であることを示している。
医学的には、この「存在的苦悩」は薬物ではほぼ改善しない。
👉 安楽死をめぐる賛否の論点を体系的に整理したい方は、こちらをご覧ください↓
👉 痛み以外の困難な苦痛については、こちらも参照してください↓
【結論】緩和ケアの限界とは何か|日本の緩和ケアの問題点│緩和ケアでも苦痛が残る割合(20〜30%)

✅緩和ケアを受けた約80%の患者は『安らかな死』を迎えられるが
残りの約20%は『苦痛を伴った』悲惨な死を遂げている実態
✅そして…
緩和ケアサービスが、いかに充実&普及していようが、いまいが…
患者がサービスを受けようが、仮に受けまいが…
最期に安らかな死 (安楽死)を求める感情は普遍的に存在する
※👉 安楽死と自殺の違い・関係を整理したい方は、こちらをご覧ください↓
✅日本の緩和ケア医は苦痛死する『20%の患者』を
何らかの理由で意図的に無視。
その点を隠蔽するだけでなく、
緩和ケアの万能論をプロパガンダしている。
※👉 日本人の多くが安楽死を支持する理由はこちら↓

フジテレビ ザ・ノンフィクション
【私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~】
(女性のXアカウントはこちら ⇒ @mahomelc)
『マユミ』さんのXアカウント名は『めいしー』です。
※👉 日本緩和医療学会 理事(上層部)の、安楽死についての考え方は、こちらの記事から把握できます↓

本当にそう思います。老いや病により死は避けられないものだから、私にとっての次善の策は「その時を安らかに迎える」こと。
緩和ケアでも最期まで苦しんだ例は
枚挙にいとまがない
ので確実性をとるなら現時点では「安楽死」がベターだと思っています。
👉 音声で「めいしー(まゆみ)」さんの残した言葉を聴きたい方は、こちらをご覧ください↓
👉 日本における安楽死の法律的な扱いについては、こちらで詳しく解説しています↓
巷のメディアに登場している全ての医師(特に緩和ケア医)の安楽死に対する姿勢は…
残念ながら下図のようなものです。

「緩和ケアを知っていれば…」
「緩和ケアがあれば苦痛はとれる」
「生きるための緩和ケア!」
「緩和ケアがあるから安楽死はいらない」
「スイスで自殺しなくても日本で大丈夫だよ~」
現実を直視せず
嘘と誤魔化し、誇大広告のオンパレード
👉その事実を裏付ける証言の数々はこちら
👉 鎮静(間接的安楽死)の詳細はこちらをご覧ください↓
👉 安楽死・緩和ケア・制度をまとめて理解したい方はこちら
👉 各国の安楽死制度や最新動向については、世界の安楽死動向をまとめたこちらの記事もご覧ください
FAQ
Q. 緩和ケアには限界があるのですか?
A. はい。緩和ケアは多くの患者の苦痛を軽減しますが、すべての症状を完全に取り除くことはできません。研究では、末期患者の一定割合に痛みや苦しみが残ることが示されています。
Q. なぜ緩和ケアでも痛みが残るのですか?
A. 痛みには薬剤が効きにくい「難治性疼痛」や、呼吸困難・倦怠感・精神的苦痛など複合的な要因があり、現在の医療では完全に制御できないケースがあるためです。
Q. 緩和ケアで対応できない苦しみには何がありますか?
A. 身体的な痛みに加え、呼吸困難、強い倦怠感、そして「尊厳の喪失」などの精神的・存在的苦悩は、薬物治療だけでは十分に改善できない場合があります。
Q. 緩和ケアがあれば安楽死は不要ですか?
A. 多くの患者にとって緩和ケアは有効ですが、すべての苦痛を取り除けるわけではないため、別の選択肢の必要性について議論があります。
Q. 緩和ケアを受けても苦しむ人はどれくらいいますか?
A. データによって異なりますが、約10〜30%程度の患者で十分な症状緩和が得られないと報告されています。
Q. 精神的な苦しみは緩和ケアで解決できますか?
A. 一部は軽減可能ですが、「尊厳の喪失」や「存在的苦悩」などは医療的介入だけでは解決が難しいとされています。
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