ニュージーランドの安楽死はどうなっているのか?法律・割合・実態を徹底解説【2026年最新】
- リップディー(RiP:D)

- 4月14日
- 読了時間: 7分
※最終更新日:2026年4月14日(随時更新)
👉 安楽死の基本的な仕組みや全体像を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
ニュージーランドの安楽死制度と法律|End of Life Choice Act 2019と最新データ
ニュージーランドでは、安楽死はすでに制度として確立され、年間約0.9%の人が選択する現実となっています。
本記事では、End of Life Choice Act 2019に基づく制度の仕組みと、2024年までの最新データをもとに、その実態を客観的に整理します。
👉 世界各国の安楽死制度を知りたい方は、はこちらで解説しています↓
🎧音声による動画解説
要約図(自由使用可)

安楽死制度の概要(ニュージーランド)
ニュージーランドでは、安楽死は単なる医療行為ではなく、
法律に基づいて厳格に管理された制度として位置づけられています。
その根拠となるのが、
End of Life Choice Act 2019(人生の最終選択法)
です。
※ちなみに隣のオーストラリアで安楽死を「VAD」と呼ぶのが一般的ですが、
ニュージーランドでは英国同様「Assisted Dying」と呼称されます。

この法律は、個人の意思による「死の選択」を、一定の条件と手続きのもとで認めています。
ニュージーランドの安楽死法(End of Life Choice Act 2019)は、こちらでダウンロードできます↓
法律の成立と施行(国民投票の結果)

この法律は以下のプロセスで成立しました。
2019年:議会で可決
2020年:国民投票で承認(賛成 約65.2%)
2021年11月7日:施行
ニュージーランドでは、重要な倫理的課題について、
国民投票による最終判断が行われた点が特徴です。
※👉 実際の国民投票結果 → E9統計 - 国民投票結果
※安楽死が合法の国が制度をどのように導入してきたかの解説はこちら↓

実績データ|申請数と実施数の推移(2021〜2024年)
年度別:申請数と実施数の推移(ニュージーランド)
年度 | 申請数 | 実施数 | 備考 |
2019年 | ― | ― | 法成立(制度未施行) |
2020年 | ― | ― | 国民投票(制度未施行) |
2021年 | 約190件 | 約66件 | 11月施行(約5か月分) |
2022年 | 約600件 | 約214件 | 初の通年データ |
2023年 | 約840件 | 約328件 | 増加傾向継続 |
2024年 | 834件 | 344件 | 直近年(公式年次報告) |
開始から6か月間で92人が安楽死により亡くなられ、
2022年度は206人が申請し、66人が医学的な幇助を受けています。
※2021年11月に施行されているため、実際の申請・実施データはそれ以降になります。
👉出典:|ニュージーランド保健省
年度別:安楽死の割合(全死亡者数に占める割合)
※総死亡者数は、ニュージーランド統計局の公表値
年度 | 総死亡者数 | 安楽死実施数 | 割合 |
2021年 | 約34,900人 | 約66件 | 約0.19% |
2022年 | 約38,600人 | 約214件 | 約0.55% |
2023年 | 約38,000人 | 約328件 | 約0.86% |
2024年 | 約39,000人(推計) | 344件 | 約0.88% |
毎年ニュージーランドで亡くなる全死亡者数のうち、
安楽死を利用して亡くなられる方は、最新の数値だと約0.9%です。
今後の増加予測(1%台)
2021年:約0.2%(制度開始直後)
2022年:約0.5%(通年運用開始)
2023年:約0.8%(増加)
2024年:約0.9%(さらに増加)
毎年一貫して上昇していることが分かります。
おそらく2025年は1.0~1.2%に上がっていると予測されています。
※他国との比較(全死亡に占める割合)
現在、安楽死制度を長く運用している国では、より高い割合に達していることが確認されています。
例:
・オランダ:約5.8%(2024年)
・カナダ:約4.7%(2023年)
・ベルギー:約2.5〜3.5%(2022〜2024年)
・スイス:約2.3%(2023年)
各国のそれぞれの詳細と割合については、こちらも参照ください↓
安楽死の適用条件(法律要件)
法律では、安楽死を受けるための条件が明確に定められています。
主な要件は以下の通りです。
18歳以上であること
ニュージーランドの市民または永住者
末期疾患であり、余命6か月以内と診断されていること
回復不能な状態であること
耐え難い苦痛を伴うこと
意思決定能力を有していること
これらはすべて満たされる必要があります。
👉代表的な安楽死合法国の「適用条件」については、こちらをご覧ください↓
手続きの流れ(医療プロセス)
法律は、実施に至るまでのプロセスも詳細に規定しています。
① 本人による申請
患者本人が、自発的に申請を行います。
② 主治医による評価
条件を満たしているかを確認します。
③ 第二医師による独立評価
別の医師が同様の基準で再評価します。
④ 精神科評価(必要時)
意思能力に疑義がある場合のみ実施されます。
⑤ SCENZ Groupによる調整
制度専用機関が医師の割り当てを行います。
⑥ 最終確認と実施
すべての条件を満たした場合に限り実施されます。
概ね、世界の一般的な安楽死プロセスに準じた仕組みとなっています。

👉他の合法国の安楽死の申請から終了までのプロセスを知りたい方は、こちら↓
監督とチェック体制
法律では、制度の適正運用のための監督体制も設けられています。
・Review Committee(審査委員会)
→ 実施されたすべてのケースを事後審査
・Registrar(登録官)
→ データ収集・年次報告の作成
・医療従事者の報告義務
これにより、制度の透明性と記録性が確保されています。
制度の特徴と位置づけ
End of Life Choice Act 2019の特徴は、以下の点に整理できます。
明確な法的要件による限定的な適用
多段階の医療審査プロセス
独立機関による監督
国民投票による民主的正当性
これにより、制度は医療と法の双方の枠組みで運用されています。
まとめ(日本との比較)
ニュージーランドでは、End of Life Choice Act 2019に基づき、
法律による要件設定
医療的な審査プロセス
公的な監督とデータ公開
のもとで安楽死が制度として運用されています。
その結果、2024年時点で【全死亡の約0.9%】を占めています。
一方、日本では
・積極的安楽死は法的に認められていない
・終末期医療の明確な制度や統一基準が存在しない
ため、医療現場ごとの判断に委ねられています。
この違いは、
・制度として明文化するか、
・現場の個別判断に委ねるか
という点にあります。
※👉 日本における安楽死の法的扱いについては、こちらで詳しく解説しています↓
※👉 安楽死制度が明文化されないため、日本で起きている事のひとつは↓
私たちは、こうした対比を踏まえ、
制度・医療・社会の関係をデータに基づいて継続的に検討していく必要があると考えます。
👉 そもそも安楽死とは何かを整理したい方は、こちらで全体像を確認できます
👉 安楽死の種類(積極的・消極的・間接)の違いは、こちらで整理しています↓
👉 地図で確認する安楽死が合法な国 一覧と各国の制度
FAQ
Q1 ニュージーランドで安楽死は合法ですか?
A はい。ニュージーランドではEnd of Life Choice Act 2019に基づき、一定の条件下で合法とされています。
Q2 安楽死を受ける条件は何ですか?
A 18歳以上、末期疾患、余命6か月以内、意思能力があることなどの条件をすべて満たす必要があります。
Q3 どれくらいの人が安楽死を選択していますか?
A 2024年は344件で、全死亡者数の約0.9%にあたります。
👉 安楽死制度が考える上で、重要なポイントになる「緩和ケア」についてはこちらをご覧ください↓
Q4 安楽死の割合は増えていますか?
A はい。2021年約0.2%から2024年約0.9%へと増加しています。
Q5 日本でも安楽死は認められていますか?
A 日本では積極的安楽死は法的に認められていません。
👉 安楽死をめぐる賛否の論点を体系的に整理したい方は、こちらをご覧ください↓









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