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【フランス 安楽死 #6】フランス安楽死法案は今どうなっているのか|上院否決後、下院再可決と2026年夏成立の可能性
フランスでは現在、「死への援助(aide à mourir)」と呼ばれる安楽死制度の合法化をめぐる法案が議会で審議されています(いわゆる安楽死法案)。 🎧音声による動画解説 要約図(自由使用可) 上院否決後、下院は再び可決 ― 議論は2026年夏の最終決着へ フランス安楽死法案とは何か 「死への援助(aide à mourir)」制度 フランスで長く議論されてきた「終末期医療」と「死ぬ権利」の問題が、いま大きな節目を迎えています。 患者が医療的支援によって死を選ぶことを認める 「aide à mourir(死への援助)」法案 です。 この法案は一度、 上院(フランス議会の第二院)で否決 されました。 しかし、それで議論が終わったわけではありません。 フランスの立法制度では、上院が否決しても、 下院(国民議会)が再度審議することが可能 です。 そして2026年、この法案は再び下院に戻され、再審議が行われました。 現在、フランス社会は「死をめぐる選択」をどう制度化するのかという問いに、改めて向き合っています。 ※ここまでの経過については、こちらの記

リップディー(RiP:D)
3 日前


【フランス 安楽死 #5】フランス安楽死法案、上院で核心条文を否決― 終末期の選択と国民意思はどこへ向かったのか
【フランス安楽死法案、上院で核心条文を否決― 終末期の選択と国民意思はどこへ向かったのか】 🎧音声による動画解説 要約図(自由使用可) フランス安楽死法案、上院で骨抜きにされた「死を選ぶ権利」 フランスでは現在、終末期にある患者が、自身の意思に基づき 医療的に「死の援助(aide à mourir)」を受ける権利 を認めるかどうかをめぐり、国会で激しい議論が続いていることは、こちらの記事でも紹介しました。 これは、単なる医療制度の調整ではなく、「生の最終段階を誰が、どのように決定するのか」という、社会の根幹に関わる問題です。 しかし2026年1月21日、フランス上院で行われた審議は、この法案にとって重大な転換点となりました。 フランス終末期医療をめぐる安楽死法案とは この法案は、2025年に国民議会(下院)で可決されました。 下院で可決された「尊厳ある選択」の内容 下院版の法案が目指していたのは、以下のような原則です。 患者本人の 明確で自由な意思 が前提であること 複数の医師による厳格な医学的判断 緩和ケアを尽くした上でなお残る耐え難い苦痛へ

リップディー(RiP:D)
1月22日


【フランス 安楽死 #4】フランス安楽死法案の現在|上院修正で事実上無効化された終末期医療制度
🎧音声による動画解説 要約図(自由使用可) フランス安楽死法案の現在|上院修正で揺らぐ終末期医療制度 フランス安楽死法案とは|終末期における死への援助(aide à mourir) フランスで長年議論されてきた 「終末期における死への援助(aide à mourir)」 法案。 2025年5月、ようやく国民議会(下院)を通過 し、 「フランスも、いよいよ安楽死制度が成立するぞ」と感じた人は少なくなかったはずです。 しかし、今上院で起きていることを見ると、その期待は急速にしぼみつつあります。 フランス安楽死法案の上院修正|3時間で覆された長年の議論 2026年1月7日の報道によれば、 上院の右派議員たち(社会問題委員会) は、わずか数時間の審議で、これまで何年もかけて積み重ねられてきた民主的な議論の成果を、 大幅に書き換え、事実上無効化 しました 象徴的なのは、次の3点です。 ・適用対象を「余命数日〜数時間」に限定 ・警察立ち会いを想定した実施体制 ・患者への自己負担金の発生 この他に「死への援助(droit à l’aide à mourir

リップディー(RiP:D)
1月9日


【フランス 安楽死 #3】フランス安楽死反対の構造|上級国民1割が制度を止める理由と妨害工作の実態
🎧音声による動画解説 要約図(自由使用可) 安楽死を反対する1割の上級国民 ― フランス安楽死制度を妨げる政治・宗教・緩和ケアの構造 ― はじめに|なぜ安楽死制度は少数派によって止められるのか フランスにおいて、安楽死制度は世論調査で 一貫して 84%〜91% の国民が支持 しているにもかかわらず、長年にわたり法制化が妨げられてきました。 その背景には、人口比では少数派でありながら、 政治・宗教・医療界の中枢に影響力 を持つ、いわば 「上級国民層」 による組織的な抵抗が存在します。 本稿では、フランソワ・バイルー首相を象徴的存在として、安楽死制度に反対する勢力が実際に用いてきた妨害工作の具体像を、事実関係に即して整理します。 1.法案分割による安楽死制度妨害|フランス政治における上級国民の戦術 (フランス 安楽死 反対 上級国民) 安楽死制度を巡る大きな妨害工作の一つが、 包括的な終末期法案の「分割」 です。 本来、緩和ケアの拡充と安楽死の合法化は、 相互補完的な制度として一体で議論 されていました。 しかしバイルー首相は、これを ・緩和ケ

リップディー(RiP:D)
1月3日


【フランス安楽死 #2】フランス 安楽死法案:申請から手続き・保護措置まで全プロセスを徹底解説
🎧音声による動画解説 要約図(自由使用可) フランス 安楽死法案: 申請から手続き・保護措置まで全プロセス解説 本稿では、フランスにおける安楽死法を対象として、 ・「安楽死の申請から終了に至るまでの具体的プロセス」 ・「患者に不利益をもたらさないために設けられた保護措置(セーフティガード)」 ――以上の二点に注目しながら解説いたします。 フランス安楽死法案|外部リンク情報 審議中のフランス安楽死法案 フランス安楽死法案の正式名称 『安楽死および自殺幇助の審査法』 (Wet toetsing levensbeëindiging op verzoek en hulp bij zelfdoding )略して『Wtl』 フランスでの、安楽死の一般的な呼称は定まっているとは言い難いですが、法案作成の主要メンバー(オリヴィエ・ファルロニ議員)が、 Droit à l'aide à mourir (直訳:死のほう助権 or 死に際における幇助の権利) 上記の言葉を国会で唱えているので、おそらく、こちらが社会に流通していくと推測します。 「安楽死( Eutha

リップディー(RiP:D)
2025年11月26日


【フランス安楽死 #1】フランス安楽死の現状と時系列まとめ|法案・制度・最新動向を整理
🎧音声による動画解説 要約図(自由使用可) 1.フランス安楽死法案が下院議会で承認 2025年5月27日 、フランス下院議会にて『安楽死法案』が承認されました。 賛成:305票反対:199票 大差をつけての法案可決となりました。 日本の大手メディアは(反対派に忖度する傾向があるので)“プチ” 情報統制 気味に報じないだろうと想定してましたが、朝日新聞以外は、ほとんど報道しているようでした。 余談ですが、 毎日新聞 や 京都新聞 は、 安楽死制度を断固反対するメディア として有名です。 2.フランス国民のほとんどは安楽死を支持 IFOPとは、老舗・世論調査会社 昨年2024年7月の段階でも、 国民の84% が安楽死法案を支持…しかも 左右の有権者も「賛成」 が多数。 そして秋口 10月7日に上院での審議 を開始する予定でした。 しかし、またもや 延期する事態 となっています。 その理由を説明するために、ここまでの 長い長いフランスの安楽死制度への道程 を振り返っておきます。 3.フランス安楽死法案の経緯と時系列整理 世界的映画監督であるフランス人

リップディー(RiP:D)
2025年11月23日
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