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海外 安楽死 世論調査まとめ|各国の支持率・法制化状況一覧

  • 執筆者の写真: リップディー(RiP:D)
    リップディー(RiP:D)
  • 2025年10月17日
  • 読了時間: 10分

更新日:4月4日

※最終更新日:2026年4月2日(随時更新)


安楽死制度は、政治や法律だけで決まるものではありません。

その背景には、常に「国民の意識=世論」が存在しています。


実際、海外では多くの国で過半数が安楽死を支持しており、その世論が制度化の大きな原動力となってきました。


安楽死は「制度が先にできた」のではなく、「世論が先に形成された」ことで広がった政策です。



👉 安楽死の全体像や制度の違いを知りたい方はこちら


👉 世界各国の制度についてはこちらで詳しく解説しています


 🎧音声による動画解説



要約図(自由使用可)


世界各国の安楽死世論を示すインフォグラフィック。支持率データ、波や城壁のイラスト、法制化の壁に関する説明が描かれている。


海外の安楽死に関する世論調査


2025年12月現在、世界各国における、海外の安楽死制度に対する世論調査の結果を、以下に概観していきます。


この記事では、まず代表的な国をいくつか抜粋して紹介しておきます。

こうした世論調査を俯瞰することで、安楽死制度、ひいては終末期医療に対して、各国の国民がどのような感覚や価値観を抱いているのかを、比較的客観的に把握することができると考えられます。


10ヶ国を選択しましたが、こちらは今後も加筆やアップデートをしていきます。

各国名をクリックすると、

それぞれの国における安楽死制度の詳細ページをご覧いただけます。



海外における安楽死の世論調査結果一覧



アメリカアメリ安楽死 世論調査と支持率(71%)


8月9日のグラフ画像。アメリカで合法的な安楽死を支持する人々の割合を示す。上部に説明文、下部に棒グラフ。

ギャラップは、「ほとんどのアメリカ人は合法的な安楽死を支持している」というタイトルの新しい世論調査を発表したばかりです。


(アメリカ国民の)71%は、医師が「患者とその家族が要求した場合、何らかの痛みのない手段で患者の命を終わらせることが法律で認められている」と考えています。


ギャラップに関する日本語テキストが表示されています。赤字の強調があり、会社設立年や拠点についての情報が含まれています。

ギャラップとは、アメリカ老舗の世論研究所になります。


出典:


👉 この国の制度や合法化の条件についてはこちら




イギリスイギリス安楽死 世論調査と支持率(73%)


YouGovのデータや調査結果がテキストで示され、安楽死に関する世論の変化を議論している。赤線で強調された部分あり。イギリスの安楽死 世論調査 安楽死の支持率

現代に遡り、YouGovは一般市民が安楽死を支持または反対できる幅広い表現や条件、状況を検証しました。

法案で提案されている現行政策は、イギリス人の73%の支持を得ており、13%が反対しています。


YOUGOV(ユーガブ)とは、英国に本社を置き、ヨーロッパ北米中東アジア太平洋地域で事業を展開する、国際的なインターネット ベースの市場調査およびデータ分析会社です。

出典:


調査会社によって幅があり、中には80%を超えるデータもありますが、少なく見積もっても70%を超えているのは確かと考えます。


👉 この国の制度や合法化の条件についてはこちら




イタリアイタリア安楽死 世論調査と支持率(84%)


白い背景の上に文章が書かれた日本語の文書。赤と黄色の下線と枠で強調されたテキストがあり、世論調査の結果や政治に関する情報が含まれている。イタリアの安楽死 世論調査 安楽死の支持率

ルカ·コショーニ協会がSWGに委託した最近の世論調査では、イタリア人の84%が我が国の安楽死を法制化するのに賛成していることが示されました。


SWGとは、1981年にトリエステで設立された企業で、世論調査、市場調査、セクター調査、観測の分野でイタリアをリードする企業です。

出典:





カナダカナダ安楽死 世論調査と支持率(83%)


イプソスの世論調査結果。2024年3月、MAIDに関するカナダ人2000人のインタビューで84%の支持。テキストが強調されている。

カナダ人の83%がMAID申請を支持。ケベック州では88%の支持。変性神経認知疾患の95%も同意。色付きで強調された情報。

カナダ全土の83%の人々が、能力を低下させ、重篤で回復不能な病状と診断され、最終的には自分で決定を下す能力を失う人に対するMAIDの事前申請を支持しています。


ここでも、ケベック州では88%と支持率が高くなっています。X世代からの支持率は86%、団塊の世代からの支持率は88%です。

出典:



カナダでは2023年の少し前から…

遅れて日本では2024年1月から…


>障害者や経済的弱者が強制的に安楽死を選択させられている

>カナダでは生活保護より安楽死の申請のほうが簡単らしい

>「障害者が安楽死で間引きされている、カナダがナチス化してる」

>カナダ政府は社会保障費を抑制するために安楽死制度を進めている


このような陰謀論アプローチによる『デマ』が世界中に拡散しました。日本でも、いわゆる“左巻き”界隈のジャーナリストや大学教授や有識者、オールドメディアが、(ほぼ意図的に)に乗っかって、更に不安を煽るネタにはもってこいなので巷のインフルエンサーにより炎上させられました。


しかし、結果は御覧のとおりです。カナダの安楽死協会たちが、イプソスに調査を依頼してみたところ、カナダ全土で83%の国民が安楽死を支持しています。


ちなみにイプソスは、世界第3位の多国籍市場調査コンサルティング会社です。データの信頼性は高く、カナダ安楽死陰謀論は世界中で鎮静化しています。


このデマ恐慌を誰が引き起こしたかについては、いずれ別記事で紹介したいと思います。


👉2022~2023年に世界で流行したカナダ安楽死デマ拡散については、こちら



マンガ風の子供が涙を流し、背景に医者やスーツの男性が描かれている。大きな文字で「CANADA KILLS CHILDREN」などのテキスト。カナダ安楽死の陰謀論を振り撒く人物の投稿

母親が子供を抱える画像。背景に書類と植物。上部にツイート、日本語で「整理のため安楽死を提案」と書かれている。カナダ安楽死の陰謀論を振り撒く人物の投稿

この、いかにもそれらしいドキュメンタリー番組も嘘であると判明しています。

カナダの2023年はデマの猛威との戦いでした。


眼鏡をかけた人物が会話中。背景にはアートが飾られている。右側には「安楽死が合法の国で起こっていること」と書かれた書籍。安楽死のデマ本 安楽死が合法の国で起こっていること、児玉真美の書籍


👉 この国の制度や合法化の条件についてはこちら





スペインスペイン安楽死 世論調査と支持率(86%)


世論調査のテキスト。スペイン国民の大多数が安楽死の非犯罪化を支持し、2018年支持率86%。2024年反対は10%に減少。

さまざまな世論調査によると、スペイン国民の大多数が安楽死の非犯罪化と末期患者の合法化を支持しており(2018年は86%)、非末期患者(2018年には62%)が支持しています。

出典:


※CISは、スペインの公共調査機関です。

それ以外にも、世界の安楽死界隈の御用達、イプソスも調査に呼ばれていた記憶があります。

とりあえずスペインの安楽死制度の支持率は、かなり高いです。それには有名な歴史的事件があるのですが、それについてはこちらから。

👉「スペイン安楽死制度の成立経緯と現状」ついて↓



👉 この国の制度や合法化の条件についてはこちら





【チリ】 チリ安楽死 世論調査と支持率(60%)


安楽死に関する議論について述べ、60%支持の調査結果を紹介。リンクとグラフィック付き。チリの安楽死 世論調査 安楽死の支持率

最近の調査によると、人口の60%が「特別な場合」に安楽死を支持しています。ガブリエル·ボリッチ大統領は、緊急性を示し、法案を推進することを保証しています。





フィンランドフィンランド安楽死

 世論調査と支持率(80%)


フィンランドの安楽死に関する調査結果の画像。テキストはフィンランド人の80%が安楽死を肯定し、特定の割合が導入を希望している。

フィンランドの市民たちは、フィンランドで安楽死(自死帮助)を認める法律を政府に整備するよう求めている。国営放送エールによる調査では、フィンランド人の80%が安楽死について肯定的であることが示された。

出典は↓


北欧はプロテスタントが主流ですから…国民が賛成でも上級国民が抑え込みます。




フランスフランス安楽死 世論調査と支持率(84%)



Mourir dans la Dignitéのツイート。フランス人の84%が終末期法案の再審査に賛成と述べる世論調査結果。グラフとパーセンテージあり。

@IfopOpinionによると、

世論調査:84%のフランス人が、病気の患者の支援と人生の終わりに関する法律案の審議再開に賛成していると表明


左派の有権者:88%

旧 大統領与党の有権者:88%

右派の有権者:75%

極右の有権者:85%


※右左の有権者どちらとも圧倒的に賛成なのだから早く成立してほしいです。


ASSOCIATION POUR LE DROIT DE MOURIR DANS LA DIGNITÉのプレスリリース。フランス国民の84%が終末期法案の支持、60%が支援死のプログラムを求める。

・フランス国民の84%が終末期法案の審査継続を支持。

・フランス人の60%が、幇助死をプログラムに含めるよう候補者に求めています。


※IFOPとはフランス世論研究所(Institut français d'opinion publique)の略称で、世論調査や市場調査を行う国際的な企業です1938年12月1日に設立され、企業や政党向けに調査結果を提供しています。


2024年7月と少々古いデータですが、おそらく現在は90%近いのではないでしょうか。


👉 この国の制度や合法化の条件についてはこちら





韓国韓国 安楽死 世論調査と支持率(82%)


10人中7人が死の援助を認めることに賛成の記事。赤字で強調されたテキストあり。社会的な視点と調査結果を述べている。

全国の19歳以上の成人男女2015人を対象に「Well-Dyingの認識と政策に関する調査を実施したところ、10人中7人が「安楽死」(自殺幇助)に賛成していることがわかった。

強く反対したのは10人に1人だけで、90%は実際には幇助死に反対していなかった


安楽死制度に関する文章。「患者が自発的かつ明確な決定」「国会はできるだけ早く議論」「安楽死援助法に賛成」などの語句が強調。韓国の安楽死 世論調査 安楽死の支持率

ハンコックリサーチが、昨年7月に成人1000人を対象に実施した世論調査では、

回答者の82%が安楽死に賛成と答えた。







台湾台湾 安楽死 世論調査と支持率(86%)


台湾国民の86%が安楽死を支持。女性が微笑んで座っている写真。背景にリハビリテーションや医療に関する調査結果が日本語で書かれたテキストが表示。

台湾における安楽死サービスと緩和ケアについて議論した文章。赤字で強調された部分は「2,000人から8,000人」「14,000人」などの数字。台湾国民の86%が安楽死を支持


86.2%の台湾人が合法化を望んでいる。




10ヶ国の世論調査(安楽死の支持率) 

【アメリカ】 71%

【イギリス】 74%

【イタリア】 84%

【カナダ】  83%

【スペイン】 86%

【チリ】   60%

【フィンランド】 80%

【フランス】 84%

【韓国】   82%

【台湾】   86%


👉 世界各国の制度状況を地図で見る方はこちら



制度化された国と世論の関係性


とりあえず10ヵ国の安楽死制度への支持率を並べてみましたが、日本と同じく、

7~8割は安楽死を支持

していると判断してよいでしょう。


👉 安楽死がどのように世界に広がったのかはこちら



欧州の主要国における安楽死 世論調査比較

欧州では、宗教的背景や医療制度の違いはあるものの、総じて安楽死または医師幇助死に対する支持率は高水準で推移しています。

特にフランスやスペインのように、近年立法・制度改正を巡る議論が活発化している国では、世論が政治的議論を後押しする構図が顕著に見られます。


👉 安楽死が受け入れられてきた背景は歴史から理解できます



北米における安楽死 世論調査比較

アメリカでは州ごとに制度の有無が異なるため、賛成率は高いものの、連邦レベルでの統一的な議論には至っていません。

一方、カナダではすでに安楽死(MAiD)が制度化されており、制度開始後も国民の支持が維持、あるいは拡大している点が特徴的です。



アジア圏における安楽死 世論調査の現状

アジアにおいても、安楽死や尊厳死に関する議論は確実に進展しています。

特に韓国や台湾では、高齢化社会の進行、延命医療への疑問、家族負担の問題などを背景として、国民の意識が大きく変化してきました。

制度の内容や法的整理は国ごとに異なりますが、少なくとも「議論そのものを拒否する空気」は弱まりつつあると推測できます。




世論と制度成立の間にある乖離

余談ですが、世界各国の安楽死を継続的にリサーチしていて、常々感じることがあります。

それは、


どの国においても、国民の多数が安楽死に賛成また支持しているにもかかわらず、

制度化や法制化は極めて困難である


という点です。素朴な疑問とも言えます。

この事実は、一見すると直感に反するようにも映ります。民主主義国家において、これほど明確な多数意見が存在するにもかかわらず、なぜ制度成立までに長い年月を要するのでしょうか。


本稿では詳細な解説は行いませんが、あえて示唆的に述べるならば、そこには


・政治制度上の構造的要因

・宗教団体・医師会・倫理委員会などの強い影響力

・「誤用・濫用リスク」への過度な懸念が固定化されやすい議論構造

・世論と立法判断の間に存在するタイムラグ


といった、複数の要素が複雑に絡み合っていると推測します。

これらの点については、今後あらためて国別事例や具体的な政治過程を示しながら、別記事で詳述する予定です。


👉 安楽死をめぐる倫理的な論点はこちらで体系的に整理しています


FAQ


Q. 海外では安楽死に賛成する人はどのくらいいますか?

A. 国によって差はありますが、アメリカでは約70%が安楽死を支持するという調査結果があり、欧州でも多数派が支持する傾向が見られます。


※👉 安楽死と自殺の違いについてはこちらで整理しています



Q. なぜ海外では安楽死の支持率が高いのですか?

A. 自己決定権の重視や、終末期医療における苦痛軽減の必要性が広く認識されているためです。また、制度化された国では実績が信頼につながっています。


※👉 緩和ケアとの関係についてはこちら



Q. 世論が高いと必ず合法化されるのですか?

A. いいえ。フランスやイギリスのように、世論の支持があっても政治的・倫理的対立により法制化が進まないケースもあります。


Q. 日本と海外で世論に違いはありますか?

A. 日本でも7〜8割程度の支持があるとされますが、制度化の議論は海外に比べて遅れています。


👉 日本における世論や制度の現状はこちら


👉 日本の法制度と課題はこちら



Q. 世論調査の結果はどの程度信頼できますか?

A. 調査方法や質問の仕方によって結果は変わるため、複数の調査を比較して傾向を把握することが重要です。


「世界の安楽死制度の全体像」については、こちらをご覧ください↓

👉 安楽死について体系的に理解したい方はこちら


👉安楽死と尊厳死の違いをわかりやすく解説

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