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日本の安楽死世論調査|賛成・反対の割合と調査データを比較【2026年】

執筆者の写真: リップディー(RiP:D)
リップディー(RiP:D)
2025年10月18日
読了時間: 17分

更新日:4 日前

最終更新日:2026年9月24日

※更新履歴:参考文献・主要資料を見直し|査読付き学術論文・公的資料のURLを追加|各種世論調査の調査対象・質問内容・結果の違いが分かるよう、情報の整理・補足


👉 安楽死の基本的な仕組みや全体像を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓


👉 安楽死の定義と分類(積極的・消極的・間接的)の違いは、こちらで整理しています↓


👉 混同されやすい、安楽死と尊厳死の違いをを知りたい方は、こちら(延命治療との関係も整理)↓



日本 安楽死 世論調査|賛成率・反対率の最新データまとめ


日本では、安楽死そのものを直接アンケートした大規模な政府統計は存在しません。

海外では、“イプソス(Ipsos)”など、安楽死の世論調査を複数手掛けた世界調査会社がリサーチしたりしますが、日本ではたとえば“野村総合研究所”のような会社でしょうか…そのような機関で本格的に調査されたことはありません。



※👉 海外では大規模な世論調査が実施されており、こちらで比較できます



ただ小規模な民間調査、インターネットアンケートによる調査など、(当たらずとも遠からず的な)非公式データは存在します。

これらのデータから、日本国民の意識動向の大まかな構図を描くことができます。


それによって日本国内における安楽死制度に対する賛否の世論を推測し、

複数の調査結果を統合することで国民的傾向を明らかにしていきたいと思います。


※実は、日本でも“安楽死に賛成する人”はすでに多数派になりつつあります。




👉 世界の安楽死制度の成立経緯を年代順で知りたい方は、こちら↓


👉 世界各国の安楽死制度を知りたい方は、はこちらで解説しています↓



🎧音声による動画解説



要約図(自由使用可)


日本における安楽死支持率に関するインフォグラフィック。SNSやニュース、専門家へのアンケート結果が表示され、支持率が示される。


👉 日本における安楽死の法律的な扱いについては、こちらで詳しく解説しています↓




インターネット・民間調査の結果(賛成率・反対率)


看護roo!のアンケート結果画面、テーマ「安楽死に賛成?反対?」。賛成92%、反対2%、その他4%。背景に病室の写真。


看護師・介護従事者向けコメント欄集計(看護roo!)


「安楽死を支持する」との意見が約92%との報告がみられます。

本データはコメント集計に基づくものであり、厳密な統計学的調査ではありません。

しかし、一つ一つのコメントを読んでいると、命の現場を知る看護師&介護士の、生々しい体験談を読むことができます。

現場を知る分、客観視できる能力があるので、その言葉には重みがあります。


ただし、これは無作為抽出による代表性のある世論調査ではなく、同サイト上で実施された任意参加型のオンライン投票です。

そのため、日本の看護師・介護職全体の意識を示す統計として扱うことはできません。




👉 安楽死と関係が深い「緩和ケアと安楽死の違い」は、こちらで整理しています↓





安楽死の法制化に関する円グラフ。とても良い30.4%、やや良い48.4%、あまり良くない17.2%、全く良くない4.0%。全体(n=882)。



日本トレンドリサーチ(2023年)


「家族が尊厳死や安楽死を望んだ場合、受け入れると思うか」との問いに対し、

88.2%が「受け入れる」と回答しています。


サイトを見ると、かなり詳しく分類しながら調査をしていることが分かります。

この数字は、かなり参考になると考えます。





安楽死に関する意見を問うYahoo!ニュースの投票結果。背景に都市の風景、青色のテキストで投票数と割合が示されている。



Yahoo!ニュース意見投票


「安楽死制度に賛成かどうか」という問いでは、約70.2%が賛成と回答しました。

性別・年齢・地域の偏在は不明ですが、投票数は約20万件に及び、大規模な傾向を示唆できていると思います。


ちなみに上記の

「ベルギー未成年者の安楽死」

の件は、以下になります。

是非とも記事を一読してほしいなと願います。


フード付きコートを着た若い女性が海辺で微笑む。曇り空の下、背景に波。上に日本語の記事が重なり、テキストが強調されている。


※ちなみに20歳未満の安楽死は、オランダや他の国でも、さすがに年間1件ぐらいです。

未成年は稀なケースであることは留意しておいてください。




👉 ベルギーの安楽死の現状については、こちら↓

『ベルギー 安楽死の現状【2026年】制度・割合・条件・統計データを徹底解説』↓





「安楽死」についての意見を問うアンケート結果。画像は手を握る場面。結果は厳格な審査を条件に賛成が多数。



同じくYahoo!のアンケート調査


73.8%


まぁ妥当な数字かな、と言ったところと考えます。

2024年7月のデータですが、私的には、

日本国民の75%は、今や安楽死を支持している印象です。





有識者6人の画像と安楽死の法制化に関する円グラフ。青とベージュ配色で意見割合を示し、下部に「合法化に転じる国も…日本は?」というテロップ。




アベマプライム(AbemaPrime)の 世論調査


番組内の調査では、78.8%が安楽死制度に対して肯定的な回答をしています。


この回は「日本尊厳死協会」の会長も登場していて、中身の濃く、コンパクトに収められた議論展開の神回だったので、是非とも御覧になってください。




👉 安楽死と自殺の違い・関係を整理したい方は、こちらをご覧ください↓





アンケート結果画像。日本の安楽死に関する賛否を示すバーグラフで、女性の賛成が48%と最多。背景は白。


SNS(X)上でのアンケート

(X界・最強のインフルエンサーによるアンケート調査)


あるインフルエンサーによるオンライン投票では、88%が安楽死支持と回答しています。Xというプラットフォーム上、若い世代の傾向を多く反映していると推測しますが、

それでも得票数を見ると”さもありなん”という数字になります。


しかし一人の人物(アカウント)だけで51万の投票数を収集してしまう影響振りはすごく、人気と影響力の高さと同時に、安楽死に対する関心度が、それなりに高いことが理解されます。




日本国内の世論調査結果(賛成率・反対率)


日本国内における安楽死制度への支持は、複数のネット調査でおおむね


7~8割程度


と見られます。


ただし、これは日本国民全体を代表する「全国世論調査による支持率」ではありません。

質問内容や回答者の募集方法が異なるため、7~8割という数字は

「複数のオンライン調査で確認された肯定的回答の水準」として理解する必要があります。


これらのデータは法制度化への是非を直接問うものではありませんが、

議論の前提となる国民的コンセンサスの有無を測る尺度として有用です。



※👉 なぜこれほど支持が広がっているのかは、賛成・反対の論点から整理できます



もちろんインターネット調査では限界があり、結果には慎重になる必要があります。

世論調査は問いの設定によって結果が変動する可能性がありますし、国際的な世論分析においては、「安楽死」と他の終末期医療の選択肢(例:治療中止等)とが混同される場合、支持率が高く出る傾向が指摘されています。


しかしながら、これら複数の非公式調査を統合すると、日本国民の安楽死制度に対する肯定的な意識はおおむね7~8割程度に及ぶという推察は、当たらずとも遠からずでしょう。


これが直ちに法制度支持の確固たる証左ではないものの、安楽死に関するドキュメンタリー番組の不特定多数のコメントを見ていても「安楽死、絶対反対」というのは少なく、支持寄りの発言が目立ちます。


それも踏まえると、日本でも安楽死制度には



一定多数の支持的な傾向を反映



していると判断して間違いないと思います。




👉 地図で確認する安楽死が合法の国 一覧と各国の制度↓


👉 安楽死とは何かを整理したい方は、こちらで全体像を確認できます↓




比較表 1

調査

質問

結果

注意点

NEXER 2023

安楽死法制化について

78.8%

「意味を知る」と答えた人が対象

NEXER 2023

家族が望んだ場合の受容

88.2%

安楽死・尊厳死の違いを知る人が対象

看護roo!

安楽死に賛成?

92%

自発的ネット投票

Yahoo!

特定の制度案への意見

73.8%等

質問文・母集団を明示


比較表 2

調査

年

対象

方法

質問

結果

代表性

日本トレンドリサーチ

2023

全国男女1,283人

ネット調査

安楽死法制化

78.8%

限定的

日本トレンドリサーチ

2023

条件付き回答者

ネット調査

家族が希望した場合

88.2%

限定的

看護roo!

2018-19

投票参加者

任意投票

安楽死に賛成?

92%

非代表

Yahoo!

2024等

投票参加者

Web投票

質問文による

73.8%等

非代表

Takimoto & Nabeshima

2025

一般市民・医師

質問票・事例

安楽死等

一般33%等

学術研究



同じ安楽死でも質問によって支持率は変化

「安楽死に賛成?」

↓

「安楽死を法制化するのは良い?」

↓

「末期患者なら認める?」

↓

「本人が望んだら?」

↓

「家族が望んだら受け入れる?」



👉 日本の安楽死の歴史・事件を知りたい方は、こちらをご覧ください↓




FAQ(よくある質問)|日本の安楽死世論調査について


Q1.日本では安楽死に賛成する人は何%くらいいますか?

A.日本国民全体を代表する形で、安楽死制度への賛否を直接測定した単一の政府世論調査による「全国支持率」は確認できません。一方、民間のインターネット調査やニュースサイト上の投票では、一定条件下の安楽死や法制化について高い肯定率が示された例があります。ただし、調査方法や質問内容が異なるため、これらを単純に合算して「日本国民の支持率」とすることはできません。


Q2.「7~8割が安楽死を支持」というのは、日本人全体の支持率ですか?

A.いいえ。7~8割という数字は、複数の民間・オンライン調査で確認された肯定的回答の水準をまとめたものです。全国の人口構成を反映した代表性のある世論調査から算出された、日本人全体の確定的な支持率ではありません。


Q3.なぜ調査によって安楽死の支持率が大きく違うのですか?

A.質問文、回答者の募集方法、対象者、安楽死の定義、想定する患者の状態などが異なるためです。「安楽死に賛成ですか」という質問と、「末期患者が耐え難い苦痛を抱えている場合に認めるべきですか」という質問では、測定している意識が異なります。


Q4.安楽死と尊厳死は同じですか?

A.一般には同じものではありません。安楽死は、医療者が患者の生命を意図的に終わらせる行為を指すことが多い一方、尊厳死という言葉は、延命治療の差し控え・中止など、自然な死の過程を尊重する意味で使われることが多くあります。ただし、「尊厳死」という言葉には統一された国際的・法的定義があるわけではないため、議論では定義を確認することが重要です。


Q5.安楽死と医師幇助自殺は同じですか?

A.一般には区別されます。安楽死では医師などの医療者が薬剤を投与して生命を終わらせるのに対し、医師幇助自殺では医師等が必要な薬剤を提供し、最終的な服用・実行を本人が行う形態が典型です。ただし、制度上の定義や名称は国・地域によって異なります。


Q6.このページは緩和ケアを否定しているのですか?

A.いいえ。本ページは緩和ケアを否定することを目的としていません。緩和ケアは終末期の苦痛やその他の症状を軽減し、生活の質を支える重要な医療です。そのうえで、緩和ケアによってすべての苦痛が解消できるのか、また本人の自己決定をどのように考えるのかについて、安楽死をめぐる議論があります。


Q7.安楽死に反対・慎重な意見も調査していますか?

A.はい。本記事では、安楽死を支持する調査だけでなく、制度の濫用、本人への社会的圧力、脆弱な立場にある人への影響、緩和ケアとの関係、いわゆる「滑り坂」論などを扱う研究も確認しています。安楽死に関する議論を理解するためには、支持側・慎重側双方の論点を確認することが重要だと考えています。


Q8.日本政府は安楽死の世論調査を実施していますか?

A.厚生労働省は「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」を実施しています。ただし、この調査は人生の最終段階における医療・ケアへの意識を調べるものであり、安楽死制度の法制化への賛否を直接測定する世論調査ではありません。


Q9.医師と一般市民では安楽死への意識が違いますか?

A.違いが報告されています。2025年に公表された日本の研究では、具体的な事例を用いた調査において、安楽死への支持は一般市民33%、医師2%と報告されました。この研究はオンライン質問票によるもので、他のネット投票とは調査方法が異なります。そのため、単純な比較ではなく、「質問方法によって結果が変わり得る」ことを示す資料として読む必要があります。


Q10.ネット上のアンケートは世論調査として信用できますか?

A.参考資料にはなりますが、日本国民全体の意識を代表するとは限りません。特に、任意参加型のWeb投票やSNS投票では、回答者が自ら参加するため、回答者の属性や関心が一般人口と異なる可能性があります。そのため、本記事ではネット調査を学術的な代表性のある世論調査と区別して紹介しています。


Q11.世論の支持率が高ければ、安楽死は合法化されるべきですか?

A.世論調査だけで法制度の是非が決まるわけではありません。安楽死の法制化には、自己決定、苦痛緩和、生命の保護、医療者の役割、本人への圧力や濫用の防止、第三者審査、記録・報告制度など、多くの論点があります。本サイトでは、それらを含めた制度設計について別の記事・資料で検討しています。


Q12.このページの「7~8割」という数字をそのまま日本人の支持率として引用してよいですか?

A.慎重な扱いが必要です。より正確には、「複数の民間・オンライン調査で、安楽死の法制化や一定条件下での安楽死について、7~8割前後の肯定的回答が示された例がある」と表現することを推奨します。日本国民全体の確定的な支持率とすることは適切ではありません。




嘆願書送付アクション


本サイトでは、各国制度、安全性・濫用防止、緩和ケア、身体疾患による苦痛と自殺などについて、国会提出用の補足資料も公開しています。


※世界の制度を比較したうえで、日本で制度設計を考える際には、適格要件、第三者審査、記録・報告、医療従事者の良心的拒否、障害者・高齢者等への配慮、緩和ケアとの関係などを個別に検討する必要があります。



書類 一覧


・嘆願書 本文『人道的終末選択の法制化に関する提言書』

・補足資料① 日本における安楽死制度の法的現状と制度的空白

・補足資料② 各国制度比較と日本への制度モデル

・補足資料③ 制度設計・安全性確保・濫用防止策

・補足資料④ 緩和ケアの限界と終末期医療の課題

・補足資料⑤ 身体疾患・身体障害による苦痛と自殺の実態

・カバーレター:ご挨拶(1ページ)

・要約文(2ページ)



👉 日本に安楽死制度を導入するための5つのポイント|制度化への課題・世界の動向・実現への道筋↓






参考文献・主要資料

本記事では、安楽死・医師幇助自殺に関する世論や意識を検討するため、国内外の公的資料、査読付き学術論文、系統的レビュー、民間調査等を参照しています。


特に世論調査については、調査対象、質問文、調査方法によって結果が大きく異なるため、各調査を単純に合算して「日本国民全体の支持率」とみなすことは避けています。



1.日本の一般市民・医師の意識

Takimoto Y, Nabeshima T.“Disparity in attitudes regarding assisted dying among physicians and the general public in Japan.”BMC Medical Ethics. 2025;26(1):7.DOI: 10.1186/s12910-025-01166-9PMID: 39833823

2025年に公表された、日本の医師と一般市民を対象とした研究です。具体的な事例(vignette)を提示したオンライン質問票によって、安楽死(voluntary active euthanasia)と医師幇助自殺(physician-assisted suicide)に対する意識を比較しています。一般市民では安楽死33%、医師では2%が支持したと報告されており、調査方法によって結果が大きく異なり得ることを示す重要な資料です。



2.世界の世論研究を網羅した系統的レビュー

Grove GL, Lovell MR, Hughes I, Maehler E, Best M.“Voluntary-assisted dying, euthanasia and physician-assisted suicide: global perspectives—systematic review.”BMJ Supportive & Palliative Care. 2025;15(4):423-435.DOI: 10.1136/spcare-2024-005116PMID: 40175060

1936年から2023年までの研究を対象とした大規模な系統的レビューです。521研究、1,863の関連質問、1,945,945人の回答を分析し、安楽死・医師幇助自殺への支持は、一般市民か医療者か、患者の苦痛や終末期状態をどのように設定するかなどによって大きく異なることを示しています。



3.患者・家族・一般市民の意識に関する系統的レビュー

Hendry M, Pasterfield D, Lewis R, Carter B, Hodgson D, Wilkinson C.“Why do we want the right to die? A systematic review of the international literature on the views of patients, carers and the public on assisted dying.”Palliative Medicine. 2013;27(1):13-26.DOI: 10.1177/0269216312463623PMID: 23128904

患者、介護者、一般市民を対象とした国際的な研究を体系的に整理した系統的レビューです。自己決定や生活の質だけでなく、耐え難い苦痛、死のあり方、制度の濫用への懸念など、安楽死をめぐる多様な価値観が報告されています。



4.制度への信頼と安楽死受容

Köneke V.“Trust increases euthanasia acceptance: a multilevel analysis using the European Values Study.”BMC Medical Ethics. 2014;15:86.DOI: 10.1186/1472-6939-15-86PMID: 25528457

欧州価値観調査(European Values Study)の44か国・49,114人のデータを用いて、社会や医療制度等への信頼と安楽死に対する態度との関係を分析した研究です。制度への信頼が安楽死への受容と関連する可能性を検討しており、制度設計や安全性に対する社会的信頼を考える際の参考資料となります。



5.安楽死・自殺幇助制度への慎重論

Finegan T.“Assisted Suicide and Slippery Slopes: Reflections on Oregon.”The New Bioethics. 2024;30(2):89-102.DOI: 10.1080/20502877.2024.2338317PMID: 38634510

オレゴン州の医師幇助自殺制度を題材として、「滑り坂(slippery slope)」論について検討した論文です。制度の適用範囲や正当化の根拠がどのように変化し得るのかについて、オレゴン州の公的データ等を踏まえて論じています。安楽死・医師幇助自殺制度に対する慎重論を理解するための資料として参照しています。



6.日本における過去の終末期医療意識調査

Miyashita M, Hashimoto S, Kawa M, Kojima M.“Attitudes towards terminal care among the general population and medical practitioners in Japan.”Nihon Koshu Eisei Zasshi. 1999;46(5):391-401.PMID: 10483132

1998年に、日本の一般人口、医師、看護師を対象として実施された調査です。一般人口5,000人、医師3,104人、看護師6,059人を対象とした郵送調査で、一定の条件下での安楽死を容認する回答などを調べています。

古い調査であるため、現在の日本社会の意識を直接示す資料としてではなく、日本における終末期医療・安楽死に対する意識を歴史的に確認するための資料として参照しています。



7.日本の緩和医療専門職を対象とした調査

Asai A, Ohnishi M, Nagata SK, Tanida N, Yamazaki Y.“Doctors' and nurses' attitudes towards and experiences of voluntary euthanasia: survey of members of the Japanese Association of Palliative Medicine.”Journal of Medical Ethics. 2001;27(5):324-330.DOI: 10.1136/jme.27.5.324PMID: 11579190

日本緩和医療学会の医師・看護師を対象とした郵送調査です。患者から死を早めることを求められた経験や、安楽死を倫理的に認められると考えるか、合法化された場合に実施するかなどについて調査しています。

医療者と一般市民では、安楽死に対する意識が異なる可能性を考えるうえで参考となる研究です。



8.厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」

厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」

厚生労働省は、一般国民および医療・介護従事者を対象として、人生の最終段階における医療・ケアについての意識や、その変化を把握するための調査を約5年ごとに実施しています。

令和4年度調査では、一般国民、医師、看護師、介護支援専門員を対象としており、一般国民については20歳以上を対象に層化2段階無作為抽出が行われ、対象者数は6,000人とされています。

ただし、この調査は「安楽死制度の法制化に賛成か反対か」を直接測定する世論調査ではありません。そのため、本記事で紹介する安楽死に関する民間調査や学術研究とは区別して扱います。


令和4年度「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」資料



調査結果を読む際の注意

本記事で紹介する民間・インターネット調査は、調査方法、質問内容、回答者の募集方法、調査時期などがそれぞれ異なります。

そのため、それぞれの数値を単純に平均したり、すべてを「日本国民の安楽死支持率」とみなしたりすることはできません。

特に、任意参加型のインターネット投票やSNS上のアンケートは、回答者が自ら参加する方式であるため、全国の人口構成を反映した代表性のある世論調査とは区別する必要があります。


本記事では、各調査について、可能な限り「誰を対象に」「どのような方法で」「何を質問したのか」を確認したうえで、その結果を紹介しています。

また、査読付き学術研究については、一般市民だけでなく、医師・看護師など医療専門職を対象とした研究や、安楽死制度に対する慎重論・リスクを扱った研究も参照しています。

したがって、本記事の目的は「日本国民の安楽死支持率」を一つの数字で断定することではありません。


各種の世論調査・学術研究・公的資料を比較しながら、日本社会における安楽死・医師幇助自殺への意識がどのように調査され、また調査方法によってどのような違いが生じているのかを整理することを目的としています。




調査方法・情報源

本記事では、日本における安楽死・医師幇助自殺に対する意識を把握するため、民間アンケート、ニュースサイト上の意見投票、医療・生命倫理分野の査読付き学術論文、政府機関の調査資料などを確認しています。

学術研究については、PubMed等で論文の存在、著者、掲載誌、発行年、巻号、ページ、DOI、PMIDを確認しています。


また、制度や法的状況に関する情報については、厚生労働省、裁判所、各国政府・公的機関などの一次資料を優先しています。

なお、世論調査は、調査対象者、質問文、回答方法、調査時期によって結果が大きく変わる可能性があります。そのため、本記事では異なる調査結果を単純に平均したり、「日本国民の支持率」として一つの数字に統合したりしていません。

特に、インターネット上の任意参加型投票については、全国の人口構成を反映した代表性のある世論調査とは区別しています。


本記事の目的は、「日本国民の安楽死支持率」を一つの数字で断定することではなく、現在確認できる各種調査が何を示しているのか、その違いと限界を含めて整理することです。

なお、RiP:Dは安楽死制度の法制化を目指す立場を明らかにしています。そのため、本記事では政策的立場と、各調査・研究から確認できる事実を区別して記載するよう努めています。


RiP:Dの調査・編集方針

  1. 一次資料を優先

  2. 法律→裁判所・政府

  3. 統計→政府統計

  4. 医学→PubMed・査読論文

  5. 海外制度→各国政府・監督機関

  6. 意見→誰の意見か明記

  7. 調査→母集団・質問文・調査方法を記載

  8. 自分たちの立場と事実を区別

  9. 反対・慎重論も掲載

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