日本の安楽死制度導入に関する提言書【補足資料 ⑤】身体疾患・身体障害による苦痛と自殺の実態|年間約4,000人と健康問題の自殺統計

更新日:8月16日
※最終更新日:2026年8月9日(随時更新)
👉 安楽死の基本的な仕組みや全体像を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
👉 安楽死の定義と分類(積極的・消極的・間接的)の違いは、こちらで整理しています↓
このページの要点
2007年から2024年までの18年間について、警察庁および厚生労働省の公的統計をもとに、健康問題と自殺の推移を整理しています。
健康問題には精神疾患だけでなく、身体疾患等に関する悩み・影響も含まれます。
本資料の集計では、身体疾患に関する悩み・影響が自殺統計上の「原因・動機」として計上された自殺者は、近年も年間約4,000人規模で確認されています。
ただし、自殺統計の「原因・動機」は複数計上される場合があるため、この数値を「身体疾患だけが原因で自殺した人数」と解釈することはできません。
本資料は、自殺と安楽死制度を同一視するものではなく、身体疾患による苦痛と終末期医療・緩和ケア・制度上の選択肢を考えるための基礎資料として位置づけています。
安楽死制度の必要性については、自殺統計だけで結論を出すのではなく、緩和ケア、海外制度、安全性、脆弱な立場の人への影響、反対・慎重論などを含めて総合的に検討する必要があります。
日本にも安楽死制度の導入を要望する嘆願書|【補足資料⑤】身体疾患・身体障害による苦痛と自殺の実態


当会 Rest in Peace with Dignity(RiP:D) が作成し、国会議員ならびに関係各所へ提出するために取りまとめた嘆願書(提言書)を公開しました。
本ページでは、嘆願書の
「補足資料 ⑤ 身体疾患・身体障害による苦痛と自殺の実態」 を掲載します。
本嘆願書は、日本における終末期医療の現状や制度上の課題を整理するとともに、海外制度の実例や公的統計、緩和ケアの限界、安全性を担保する制度設計など、多角的な観点から法制度化の必要性を提言するものです。
提出用の資料一式は、以下の構成となっています。
・嘆願書 本文『人道的終末選択の法制化に関する提言書』
・補足資料① 日本における安楽死制度の法的現状と制度的空白
・補足資料② 各国制度比較と日本への制度モデル
・補足資料③ 制度設計・安全性確保・濫用防止策
・補足資料④ 緩和ケアの限界と終末期医療の課題
・補足資料⑤ 身体疾患・身体障害による苦痛と自殺の実態
・カバーレター:ご挨拶(1ページ)
・要約文(2ページ)
※調査方法・統計上の留意事項
本資料では、警察庁が公表する自殺統計および厚生労働省『自殺対策白書』等の公的資料を基礎資料として、2007年(平成19年)から2024年(令和6年)までの18年間について、健康問題に関する自殺の推移を整理・分析しています。
本資料における「身体疾患による自殺」「身体障害による自殺」という表現は、医学的に単一の原因が確定した自殺を意味するものではありません。警察庁の自殺統計において、捜査・調査等の過程で把握された「原因・動機」のうち、身体疾患・身体障害等に関する項目が計上されたケースを、本資料の分析対象として集計したものです。
また、自殺統計の「原因・動機」は複数の項目が計上される場合があるため、各項目の人数を合計しても、自殺者総数とは一致しない場合があります。そのため、本資料の数値は「身体疾患が自殺の単独の原因であった人数」を示すものではなく、身体疾患等に関する悩み・影響が自殺統計上の原因・動機として把握された規模を示すものとして解釈する必要があります。
割合については、原則として各年度の公表値を基礎として算出し、平均値については対象期間の年度別数値を単純平均しています。詳細な算出方法および使用した統計項目については、今後、可能な範囲で年度別の元データとともに公開します。
なお、本資料は公的統計から確認できる事実と、それを踏まえた制度的・政策的考察を区別して記載しています。統計だけから安楽死制度の必要性や、自殺と安楽死制度との因果関係を直接証明するものではありません。
なお、本ページでは安楽死制度について初めて知る方にも理解しやすいよう、関連する解説記事へのリンクを随所に掲載しています。制度の背景や各論点について詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
また、実際に国会議員および関係機関へ提出する正式版については、ページ下部に掲載している PDF版 をご参照ください。
🎧音声による動画解説
要約図(自由使用可)

嘆願書|補足資料 ⑤ 身体疾患・身体障害による苦痛と自殺の実態
(日本 安楽死制度)
※安楽死制度について初めて学ぶ方にも分かりやすいよう、本ページでは関連する解説記事へのリンクを適宜掲載しています。
※実際に提出する正式な文書は、ページ下部に掲載しているPDF版をご覧ください。
1.本資料の位置づけ
本補足資料は、嘆願書本文および補足資料①~④を補完し、
制度上の選択肢が存在しない現状が、身体疾患や身体障害による苦痛を抱える人々にどのような影響を及ぼしているのかを、公的統計に基づいて整理するものである。
本資料は、
自殺を肯定・推奨するものではない
自殺と人道的終末選択制度を同一視するものでもない
その前提に立ち、
制度的課題を検討するための基礎資料として作成したものである。
2.健康問題は、日本の自殺原因として最も多い
警察庁および厚生労働省の統計では、
健康問題は長年にわたり、自殺原因として最も多い項目となっている。
健康問題には、
身体疾患
身体障害
精神疾患
その他の健康上の問題
が含まれるが、
その中でも身体疾患および身体障害による悩みは、毎年数千件規模で計上されている。
このことは、身体疾患や身体障害による苦痛が、現在もなお自殺の重要な背景要因の一つとなっていることを示している。
■健康問題は長年にわたり自殺原因の最多項目となっている

健康問題を理由とする自殺は、平成19年(2007年)から令和6年(2024年)まで一貫して日本の主要な自殺原因の一つであり、近年も年間約1万人を超える水準で推移している。
その内訳では、精神疾患が最も大きな割合を占めている。

一方、身体疾患および身体障害に起因する自殺も、
統計分析では年間約4,000~5,000人規模と推計される。
3.身体疾患・身体障害による自殺は継続して確認されている
厚生労働省自殺対策白書および警察庁統計では、
がん、難病、慢性疾患などの身体疾患、
ならびに身体障害に関する悩みを背景とする自殺が、
毎年継続して記録されている。
長期推移をみても、身体疾患による自殺は一時的な現象ではなく、
長年にわたり一定規模で存在していることが確認される。
■ 身体的苦痛による自殺は一時的現象ではなく、長期間継続している

身体疾患では「がん」単独による自殺は長期的に減少傾向を示しているものの、
それ以外の慢性疾患や神経難病、循環器・呼吸器疾患等を含む身体疾患、および身体障害を背景とした自殺は依然として高い水準で推移している。
身体疾患・身体障害による自殺者数は、景気変動や社会情勢による一時的な増減では説明できず、18年間にわたり継続して確認されている。
特に令和4年以降は再び増加傾向がみられ、身体的苦痛や身体機能の喪失を背景とする悩みが、現在もなお社会的課題として存在していることが
示唆される。
このことは、医療の進歩や緩和ケアの普及が進んだ現在においても、
なお十分に救済されていない患者層が存在する可能性を示している。
4.身体的苦痛は精神的苦痛と切り離せない
身体疾患による自殺は、単なる疼痛のみでは説明できない。
終末期患者や難病患者では、
呼吸困難
身体機能の喪失
全介助状態
将来への不安
尊厳の喪失
などが重なり、
身体的苦痛と精神的苦痛が複合的に存在することが知られている。

5.制度的観点からの考察
本統計は、自殺と人道的終末選択制度を直接結び付けるものではない。
しかし一方で、
身体疾患や身体障害を背景とした自殺が毎年相当数発生しているという事実は、
身体的苦痛や尊厳の喪失に直面した患者の一部が、現行制度の中で十分な救済を受けられていない可能性を示唆している。
補足資料④で示したように、緩和ケアは終末期医療において極めて重要である一方、
医学的にも一定割合の患者には緩和困難な苦痛が残存することが確認されている。
本資料で示した自殺統計は、そのような苦痛を背景とする患者が、制度上の選択肢を持たないまま自ら命を絶つ事例が一定数存在する可能性について、立法府として検討する必要性を示す参考資料となる。
※👉 補足資料 ④
6.結論
警察庁および厚生労働省の統計からは、身体疾患および身体障害による苦痛を背景とする自殺が、毎年数千人規模で継続して発生していることが確認される。
本資料は、自殺を肯定・推奨するものではなく、また、自殺と人道的終末選択制度(安楽死制度)を同一視するものでもない。
しかし、身体疾患による苦痛を背景とした自殺が継続して発生している現実は、
現行制度のみでは十分に救済されていない患者が存在する可能性を示唆している。
したがって、緩和ケアのさらなる充実を前提としつつ、制度上の空白についても、客観的データと国際的な知見に基づき、人道的終末選択制度(安楽死制度)のあり方について
冷静かつ建設的な立法的検討を進めることが望まれる。
本資料が、身体疾患や身体障害による苦痛に直面する患者への支援のあり方について、
多角的かつ建設的な政策議論を進めるための一助となれば幸いである。
補足データ
■健康問題による自殺者の詳細推移(平成19年~令和6年:過去18年分)
※厚生労働省『自殺対策白書』および、警察庁発表のデータより集計

健康問題は18年間を通じて日本の自殺原因の最大要因(平均51.2%)である。
健康問題自殺の約6割は精神疾患、約3.5割は身体疾患で構成される。
身体疾患だけでも年間平均4,349人が亡くなっており、社会的に無視できない規模である。
身体疾患自殺は18年間で減少したものの、現在も年間約4,000人が亡くなっている。
精神疾患による自殺は長期的には減少したが、コロナ禍以降は高止まりしている。
※👉 精神疾患による自殺の実態|警察庁統計と自殺対策白書から見る18年間
健康問題自殺全体は減少したものの、近年は12,000人前後で下げ止まりの傾向がある。
健康問題が自殺全体に占める割合は近年むしろ上昇し、令和6年には59.3%と過去最高水準に達している。
身体疾患自殺の大部分は「がん」ではなく、その他の身体疾患(慢性疾患・難病・多様な身体疾患)によるものである。
身体障害による自殺は18年間を通じて比較的安定して推移している。
自殺対策を精神疾患だけに限定しても限界があり、身体疾患患者への緩和ケア、疼痛管理、意思決定支援、心理社会的支援などを含めた包括的な対策が必要である。
この表から最も強く読み取れる結論は、
「健康問題による自殺=精神疾患だけではない。」
「約3人に1人は身体疾患が背景にあり、その規模は現在も年間約4,000人に上る。」
という点です。
これは、身体疾患患者への支援の重要性を示す客観的なデータとして、大きな意味を持つと言える。
「補足資料①~⑤の関係」
① 日本は制度不在
↓
② 海外では制度化されている
↓
③ リスク管理は可能
↓
④ 緩和ケアにも限界がある
↓
⑤ 身体疾患・身体障害を背景とする自殺が現在も年間数千人規模
↓
だから立法府で制度を検討する必要がある
嘆願書(提言書)
【補足資料⑤】身体疾患・身体障害による苦痛と自殺の実態
表①「統計から分かること/分からないこと」
統計から分かること | 統計だけでは分からないこと |
身体疾患等に関する悩み・影響が原因・動機として計上された人数 | 身体疾患が単独の原因だったか |
長期間継続していること | 苦痛の程度 |
年齢・性別等の統計的傾向 | 安楽死を希望していたか |
健康問題の構成 | 緩和ケアを受けていたか |
年度ごとの増減 | 安楽死制度があれば自殺を回避できたか |
表②「安楽死・自殺・緩和ケア・尊厳死の違い」
項目 | 自殺 | 安楽死 | 尊厳死 | 緩和ケア |
主な主体 | 本人 | 医療者が関与 | 本人・医療者 | 医療者 |
目的 | 死亡 | 本人の希望に基づく生命終結 | 過度な延命回避 | 苦痛軽減 |
法制度 | 自殺自体は犯罪ではないが他者による幇助等は別問題 | 日本では制度化されていない | 法的定義は限定的 | 医療として実施 |
苦痛への対応 | 終結そのもの | 死亡による苦痛回避 | 自然経過を尊重 | 苦痛軽減 |
医療者の関与 | 原則なし | 制度上関与 | 状況による | あり |
表③「海外制度の安全策」
国 | 本人意思 | 医師審査 | 第三者審査 | 報告制度 | 外部監査 |
オランダ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ベルギー | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
カナダ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
FAQ
Q1.身体疾患に関する悩み・影響が計上された自殺者は年間何人ですか?
A.警察庁の自殺統計等を基に本資料で整理した範囲では、身体疾患に関する悩み・影響が「原因・動機」として計上された自殺者は、近年も年間約4,000人規模で確認されています。ただし、自殺統計の「原因・動機」は複数の項目が計上される場合があるため、この数字を「身体疾患だけが原因で自殺した人数」と解釈することはできません。
Q2.日本の自殺原因で最も多いのは何ですか?
A.警察庁の自殺統計では、「健康問題」は長年にわたり主要な原因・動機の一つとして計上されています。ただし、「原因・動機」は複数計上される場合があるため、単一の原因によって自殺が生じたことを示す統計ではありません。
Q3.健康問題による自殺は精神疾患だけですか?
A.いいえ。健康問題には精神疾患だけでなく、身体疾患などに関する悩み・影響も含まれます。本資料では、精神疾患だけではなく、身体疾患や身体障害に関する統計上の項目についても長期的な推移を整理しています。
Q4.身体疾患による自殺の多くは、がんによるものですか?
A.いいえ。身体疾患には、がんだけでなく、慢性疾患、神経疾患、循環器疾患、呼吸器疾患など、さまざまな疾患が含まれます。本資料では、特定の疾患だけではなく、身体疾患に関する統計上の項目を広く対象として分析しています。
Q5.身体疾患に関する自殺統計と安楽死制度は同じものですか?
A.いいえ。同じものではありません。自殺統計は、自殺に至った人について、捜査・調査等の過程で把握された「原因・動機」を整理した統計です。一方、安楽死制度は、本人の意思、医学的要件、第三者による確認、審査・報告など、法律によって定められた条件の下で医療者が関与する制度として議論されています。本資料でも、両者を同一視していません。
Q6.日本では安楽死制度は合法ですか?
A.日本には、一定の要件を満たした積極的安楽死を制度として合法化する法律は現在存在しません。一方、終末期医療については、生命維持治療の開始・不開始・中止などをめぐるガイドライン等に基づいて対応されています。安楽死と治療差し控え・中止、緩和ケア、尊厳死は区別して考える必要があります。
Q7.緩和ケアがあれば身体的苦痛はすべて取り除けますか?
A.いいえ。緩和ケアは生命を脅かす病気に伴う身体的・心理社会的・精神的苦痛を軽減するために重要な医療ですが、すべての苦痛を完全に取り除けるとは限りません。難治性の呼吸困難、せん妄、存在的苦痛などについては、医学的にも治療が難しいケースが報告されています。本提言書では、補足資料④でこの問題を詳しく検討しています。
Q8.身体疾患による自殺統計だけで安楽死制度の必要性を証明できますか?
A.いいえ。本資料の自殺統計だけで安楽死制度の必要性を証明するものではありません。身体疾患等に関する悩み・影響が自殺統計上の原因・動機として継続的に計上されていることを、身体的苦痛を抱える人への支援や終末期医療のあり方を考えるための基礎資料の一つとして位置づけています。
Q9.安楽死と尊厳死は同じですか?
A.同じではありません。一般に、安楽死は医療者が薬物等を用いて患者の生命を意図的に終わらせることを指し、尊厳死は生命維持治療の差し控え・中止などを通じて、過度な延命を避け自然な経過を尊重する考え方として説明されます。ただし、「尊厳死」という言葉の定義や使われ方には幅があるため、具体的な制度や行為を確認して区別する必要があります。
Q10.この資料は緩和ケアを否定していますか?
A.いいえ。本資料および本提言書は、緩和ケアを否定するものではありません。むしろ、緩和ケアの充実は終末期医療において不可欠な前提であると考えています。そのうえで、医学的に治療が困難な苦痛が残るケースについて、緩和ケアだけでは解決できない制度上の課題があるかどうかを別途検討することを提案しています。
Q11.安楽死制度によって高齢者や障害者に圧力がかかる危険はありませんか?
A.その可能性は、制度設計上の重要な検討課題です。経済的負担、介護負担、社会的孤立、障害に対する偏見などが本人の意思決定に影響する可能性については、安楽死制度に対する反対・慎重論の中でも指摘されています。一方、オランダやオレゴン州のデータを用いて、特定の脆弱な集団に対する過剰なリスクが確認されていないとする研究もあります。そのため、賛成・反対のいずれか一方の主張だけで判断せず、具体的なデータと制度上の安全策を比較検討する必要があります。
Q12.安楽死制度には「滑り坂」の問題がありますか?
A.「滑り坂(slippery slope)」は、制度導入後に対象者や要件が段階的に拡大する可能性を問題とする議論です。実際に、オランダなどでは終末期患者だけでなく、精神疾患や認知症等をめぐる制度上の議論が生じています。一方で、制度化が直ちに無制限の拡大につながることを示すかどうかについては、研究者の間でも見解が分かれています。本提言書では、この問題を補足資料③などで制度設計上のリスクとして検討しています。
Q13.安楽死制度を導入すれば、自殺は減るのでしょうか?
A.現時点で、そのような単純な因果関係を断定することはできません。合法化と自殺率の関係については、増加を示した研究と、増加を支持する証拠が確認できなかった研究の双方があります。したがって、「安楽死制度が自殺を減らす」とも「必ず自殺を増やす」とも単純化せず、制度、対象者、社会的背景、医療アクセスなどを含めて検討する必要があります。
安楽死を知るための9記事
⓪ 👉安楽死とは
「安楽死とは何か?日本では違法なのか?」
そんな疑問を、初心者でもわかるように整理して解説します。
この記事を読めば、安楽死の全体像が5分で理解できます。
① 👉種類
安楽死にはどんな種類があるのか知っていますか?
積極的・消極的・間接的の違いを具体例つきでわかりやすく解説します。
混同しやすいポイントも整理しています。
② 👉日本の法律
日本で安楽死は認められているのか?
判例や条件をもとに、どこまで許されるのかをわかりやすく解説します。
医師の責任についても理解できます。
③ 👉尊厳死
安楽死と尊厳死は何が違うのか?
混同されやすい2つの違いを、法律と医療の観点から整理して解説します。
日本での扱いもわかりやすく説明しています。
④ 👉世界
安楽死が認められている国はどこなのか?
各国の制度や条件の違いを整理し、わかりやすく一覧で解説します。
日本との違いも一目で理解できます。
⑤ 👉緩和ケア
安楽死と緩和ケアは何が違うのか?
苦痛の軽減という観点から、それぞれの考え方と役割をわかりやすく解説します。
選択の違いも理解できます。
⑥ 👉賛否
安楽死は本当に許されるべきなのか?
賛成・反対それぞれの理由を整理し、海外の議論も含めて比較します。
考え方の違いがクリアになります。
⑦ 👉自殺
安楽死と自殺は同じものなのか?
法律・倫理・医療の観点から、その違いをわかりやすく解説します。
誤解されやすいポイントも整理しています。
⑧ 👉歴史
日本の安楽死の歴史・事件にはどのようなものがあるのか?
安楽死はどのように変化してきたのか?
ナチス時代から現代までの流れを時系列で整理して解説します。
出典・参考文献
日本の公的統計・行政資料
1.日本の公的統計・行政資料
厚生労働省.『自殺対策白書』.特に令和7年版および過年度版.
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/jisatsu/index.html
厚生労働省.『人口動態統計』.
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html
厚生労働省.『人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン』.
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000078981.html
2.緩和ケア・難治性苦痛
Systematic Review of Common Refractory Symptoms in the End-Of-Life Situation and Its Relation With Euthanasia. OMEGA - Journal of Death and Dying. 2022. DOI: 10.1177/00302228221089123. PMID: 35441562.
終末期における一般的な難治性症状と安楽死との関係に関する系統的レビュー - PubMed
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3.オランダの安楽死制度
van der Heide A, Onwuteaka-Philipsen BD, Rurup ML, et al. End-of-life practices in the Netherlands under the Euthanasia Act. New England Journal of Medicine. 2007;356(19):1957–1965. DOI: 10.1056/NEJMsa071143. PMID: 17494928.
オランダにおける安楽死法に基づく終末期の慣行 |ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン
Miller DG, Kim SYH. Euthanasia and physician-assisted suicide not meeting due care criteria in the Netherlands: a qualitative review of review committee judgements. BMJ Open. 2017;7(10). DOI: 10.1136/bmjopen-2017-017628. PMID: 29074515.
Kim SYH, De Vries RG, Peteet JR. Euthanasia and Assisted Suicide of Patients With Psychiatric Disorders in the Netherlands 2011 to 2014. JAMA Psychiatry. 2016;73(4):362–368. DOI: 10.1001/jamapsychiatry.2015.2887. PMID: 26864709.
Bosma F, Mink KR, van Delden JJM, van der Heide A, van de Vathorst S, van Thiel GJMW. The Dutch practice of euthanasia and assisted suicide in patients suffering from psychiatric disorders: a qualitative case review study. Frontiers in Psychiatry. 2024;15:1452835. DOI: 10.3389/fpsyt.2024.1452835. PMID: 39529899.
4.ベルギーの安楽死制度
Smets T, Bilsen J, Cohen J, Rurup ML, Deliens L. Legal euthanasia in Belgium: characteristics of all reported euthanasia cases. Medical Care. 2010;48(2):187–192. DOI: 10.1097/MLR.0b013e3181bd4dde. PMID: 19890220.
ベルギーにおける合法的安楽死:報告されたすべての安楽死事例の特徴 - PubMed
Bilsen J, Vander Stichele R, Mortier F, Deliens L. The incidence and characteristics of end-of-life decisions by GPs in Belgium. Family Practice. 2004;21(3):282–288. DOI: 10.1093/fampra/cmh312. PMID: 15128690.
ベルギーにおける一般開業医による終末期の決定の発生率と特徴 - PubMed
5.カナダMAID
Duong D, Vogel L. What's the status of medical assistance in dying in Canada? CMAJ. 2023;195(13)–E489. DOI: 10.1503/cmaj.1096045. PMID: 37011930.
Lazin SJ, Chandler JA. Two Views of Vulnerability in the Evolution of Canada's Medical Assistance in Dying Law. Cambridge Quarterly of Healthcare Ethics. 2023;32(1):105–117. DOI: 10.1017/S0963180121000943. PMID: 36503576.
Coelho R, Maher J, Gaind KS, Lemmens T. The realities of Medical Assistance in Dying in Canada. Palliative & Supportive Care. 2023;21(5):871–878. DOI: 10.1017/S1478951523001025. PMID: 37462416.
6.脆弱性・障害・高齢者への影響
Battin MP, van der Heide A, Ganzini L, van der Wal G, Onwuteaka-Philipsen BD. Legal physician-assisted dying in Oregon and the Netherlands: evidence concerning the impact on patients in “vulnerable” groups. Journal of Medical Ethics. 2007;33(10):591–597. DOI: 10.1136/jme.2007.022335. PMID: 17906058.
オレゴン州とオランダにおける合法的な医師幇助死:「脆弱」なグループの患者への影響に関する証拠 - PubMed
Stainton T. Disability, vulnerability and assisted death: commentary on Tuffrey-Wijne, Curfs, Finlay and Hollins. BMC Medical Ethics. 2019;20(1):89. DOI: 10.1186/s12910-019-0426-2. PMID: 31775722.
安楽死サービスに対する態度と経験、そして医療従事者への心理的影響:ナラティブ・システマティックレビュー - マッコーリー大学
Winters JP. Eligibility for assisted dying: not protection for vulnerable people, but protection for people when they are vulnerable. Journal of Medical Ethics. 2021;47(10):672–673. DOI: 10.1136/medethics-2021-107794. PMID: 34497141.
7.医療者の倫理的負担・心理的影響
Wibisono S, Minto K, Lizzio-Wilson M, et al. Attitudes toward and experience with assisted-death services and psychological implications for health practitioners: a narrative systematic review. Omega: Journal of Death and Dying. 2025;91(2):590–612. DOI: 10.1177/00302228221138997.
安楽死サービスに対する態度と経験、そして医療従事者への心理的影響:ナラティブ・システマティックレビュー - マッコーリー大学
8.反対・慎重論
George RJD, Finlay IG, Jeffrey D. Legalised euthanasia will violate the rights of vulnerable patients. BMJ. 2005;331(7518):684–685. DOI: 10.1136/bmj.331.7518.684. PMID: 16179705.
Jones DA, Paton D. How Does Legalization of Physician-Assisted Suicide Affect Rates of Suicide? Southern Medical Journal. 2015;108(10):599–604. DOI: 10.14423/SMJ.0000000000000349. PMID: 26437189.
Sutton OP, Kious BM. Associations Between the Legalization and Implementation of Medical Aid in Dying and Suicide Rates in the United States. Journal of Public Health Policy. 2025;16(2):85–93. DOI: 10.1080/23294515.2024.2433474. PMID: 39652678.
9.国際的な公的資料
World Health Organization. Palliative Care.
Government of Canada. Medical Assistance in Dying (MAID).
Government of the Netherlands. Euthanasia and assisted suicide.
Regionale Toetsingscommissies Euthanasie. Annual Report 2024.
Federal Control and Evaluation Commission on Euthanasia, Belgium. Report on euthanasia 2022–2023および2024年統計.
10.本資料の統計について
本資料における数値は、警察庁および厚生労働省が公表する自殺統計等を基礎としてRiPが整理・集計したものです。
なお、自殺統計の「原因・動機」は複数計上される場合があるため、本資料における「身体疾患による自殺」等の表現は、医学的に単一原因が確定した自殺者数を意味するものではありません。
「主張→根拠」対応表
本文の主張 | 根拠 | 種類 |
健康問題は主要な自殺原因 | 厚労省・自殺対策白書 | 公的統計 |
身体疾患関連も継続して計上 | 警察庁自殺統計 | 公的統計 |
緩和困難な症状が存在 | systematic review | 査読論文 |
オランダでは制度化 | オランダ政府 | 一次資料 |
制度上の不適合事例も存在 | RTE+BMJ Open | 一次資料+査読 |
脆弱者への懸念 | BMC Medical Ethics等 | 査読論文 |
リスクが確認されないとの研究もある | JME | 査読論文 |
医療者への影響 | systematic review | 査読論文 |






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