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安楽死とは?緩和ケアの「鎮静」との違いをわかりやすく解説【間接的安楽死】

  • 執筆者の写真: リップディー(RiP:D)
    リップディー(RiP:D)
  • 2025年9月23日
  • 読了時間: 10分

更新日:3 日前

安楽死と鎮静の違い(まとめ)

・安楽死:死を目的とする医療行為

・鎮静:苦痛を和らげる医療(結果的に寿命が短くなる可能性あり)


→ 目的が「死」か「苦痛緩和」かが最大の違いです。


多くの人が「安楽死」と「緩和ケアの鎮静」を混同しています。

しかしこの2つは、目的・意味・倫理的な位置づけが大きく異なる医療行為です。


本記事では、安楽死の基本的な定義から、緩和ケアにおける「鎮静(持続的深い鎮静)」との違い、そしてなぜそれが「間接的安楽死」と呼ばれるのかを、初心者にも分かりやすく整理します。


🎧音声による動画解説



要約図(自由使用可)


病床で眠る女性、医療図表、日本の終末期医療に関するテキスト、天秤図、メガホンと盾イラスト。色は主に青とオレンジ。


間接的安楽死(Indirect Euthanasia)

(緩和ケアにおける鎮静)


緑の背景に「間接的安楽死」についての説明。大きな文字で「緩和ケアにおける持続的な深い鎮静のこと」。詳細な手法や用語の違いについてのテキストが多数。


緩和ケアとは何か


まず緩和ケアとは


致死的な病気で苦しんでいる人々の『痛みや不快感』

『鎮痛剤&鎮静剤』で出来るだけ和らげながら

『人生の最終段階』を出来るだけ『快適』に過ごしてもらう医学的対応  


一言でいえば『痛みを和らげる対応』であり、緩和ケア医は、『痛みを和らげてくれる人達』のことを指します。

緩和ケアの詳細(WHOの定義や現状と実態など)は、こちらから↓



緩和ケアにおける鎮静とは|持続的深い鎮静の実際


次に間接的安楽死とは、

緩和ケアにおける対応法の一つの手段

正式名称は持続的な深い鎮静

単純に『鎮静』、または持続鎮静セデーションと呼ばれます。簡単に説明します。

まず『手術の場面』を思い浮かべてください。

手術室で医師が緊張した表情で手術をしている。青い手術服とマスクを着用し、患者は眠った状態で横たわる。

執刀医がメスを持って皮膚を裂き、内臓に手を入れています(開腹手術)。

もちろん頭部にメスを入れるケースもあり“脳味噌”や血管を動かしたりします。

しかし、麻酔がかかっているので、一般論で


痛みで眼を覚ますことはありません


つまり


人為的に強力な”眠り薬”を身体に注入すれば

痛みを感じないまま『深い眠り』の状態を維持できる


それが現代の医療技術では可能です。

そして『深い眠り』=『痛みを感じない状態』を持続して、かつ


水分も栄養も何も与えず


見守り続けたら、深い眠りの中で痛みを感じることなく、最終的に安らかに亡くなります(いわゆる餓死)。


これが『鎮静』こと『持続的な深い鎮静』です。

このように医療者側が、どんなに手を尽くしても、どんな痛みの緩和薬を使用しても


耐え難い苦痛に対応できなくなった場合には

(患者が「殺してくれ」と叫ぶぐらいの苦痛状態になって、やっと…)


“強い眠り薬”を持続的に投与して深い睡眠を維持し、静かに亡くなっていく手段を取ります。

壮絶な苦痛が一定期間、続くようになって初めて、医療者が話し合い最終的に決定)


ピンクの背景に医療関連文章。緑と赤で強調された部分があり、重要な基準と手順を説明。真剣なトーンが漂う。
鎮静開始の要件 

  おそらく意図的に「一般市民が理解しがたいように記載」しているので

文章の簡略化バージョン



医療の意図、患者意見、妥当性、安全性に関する箇条書きの日本語テキスト。重要なポイントは赤で強調されています。

この『鎮静』という行為は、通常の医療行為として日本で認可されています。

“がん”で身内を亡くされた方には、それと知らず、鎮静処置を受けた方もいるでしょう。


要約図(自由使用可)

緩和ケアの説明図。医師や患者家族の意見、状況の適切さ、安全性を考慮。薬品や脳のイラスト、和やかな緑色背景。


間接的安楽死(持続鎮静)とは|死ぬことを前提とする


ですが、ここで考えてみてください。

鎮静は、鎮静剤を投与することで


強制的に眠った「状態を」維持して、

食事も水分も与えず、いわば放置


した状態です。

しかも、積極的安楽死のように、条件が緩いどころかザル状態で、厳しい審査もありません。そして医療者側の胸先三寸で判断され、決定されます。


患者が「もう殺してくれ」と幾ら叫んでも、家族がその悲鳴を耳にしても、決定は緩和ケア医に決定権があり、患者側は


『死のタイミング』を決められず、

『意思の決定』は認められません。

(医師会と緩和ケア業界に奪われています)


多くの末期患者は、意識が朦朧・混濁している状態…つまり鎮静は、一歩間違えれば


殺人行為


または患者ご本人や家族に了解を得て行うケースでは…


自殺幇助



と捉える事が出来ます。最初から死ぬことを前提とした対応手段だからです。


だからこそ、厳密にいうと、学術的には安楽死の一分類、つまり


間接的(な)安楽死


と定義づけられています。別称として『ソフト(soft)な安楽死』『スロー(slow)な安楽死』と呼ばれるのは、そのような理由があります。

もっと掘り下げると、結局のところ、冒頭で紹介した緩和ケアの説明文…


痛みや不快感』を~和らげながら『人生の最終段階』

出来るだけ『快適』に過ごしてもらう


という定義からは逸脱しており、ざっくり言えば、その今までのケア対応が


お手上げ状態


になった末の…緩和ケアを放棄した後の…最後に残った残り作業となります。

これが安楽死のひとつの分類、間接的安楽死の説明となります。



ご存知の方も多いと思いますが、残念ながら、この間接的安楽死(持続的な深い鎮静)、そしてまた、緩和ケア業界そのものが、近年様々な脆弱性を抱えていることが発覚しています。


それらについては別記事『緩和ケアについて』の項目で解説します↓



なぜ鎮静は「間接的安楽死」と呼ばれるのか


緩和ケア業界は『鎮静を(間接的な)安楽死』と定義されることを極度に嫌悪します。

「私達は安楽死はしていない。患者さんの痛みに対処しただけ」と主張し、あから様に間接的安楽死という用語を社会から封殺しようと画策もしています。


気持ちは分かります。殺人だの自殺ほう助だのと揶揄されがちな“安楽死”と一緒にされたくないからです。自分たちは崇高な行為をしていると思い込みたい感情は理解できます。

しかし、それが故に、


『鎮静は出来ればやりたくない』

『あくまで痛みの緩和のみが仕事』


として、鎮静という手段を採用しない(痛みの緩和のみに終始する)緩和ケア医が、日本には沢山いるのが現状であり、また日本緩和ケア業界の現状となっています。



持続鎮静つまり間接的安楽死にも強制リスクがあり

むしろ、現状の方がリスクが遥かに高い


安楽死を反対する方々に、このような懸念をされる方が一定数いらっしゃいます。


日本語のテキスト画像。「望まぬ死に誘導するハラスメントが横行する」との文が強調されている。背景に特記なし。

日本で安楽死なんか認めたら、失敗した社員や有名人に対して「責任の取り方…分かってる?」と迫って望まぬ死に誘導したり、病気や事故にあった人に対して「周りに負担をかけぬのが日本人」みたいな宣伝で望まぬ死に誘導するハラスメントが横行するから反対。



青い笑顔のアイコンとユーザー名の後、コメントが表示されています。内容は安楽死に関する個人的な意見が述べられています。

私も父をすい臓がんで亡くしました。

安楽死自体には絶対贊成です。でもこの日本国ではまだ認めてはダメ。


理由は、こんな同調圧力が強い国民性の国で安楽死を認めたら、間違いなく、

あなたはまだ安楽死をしないの?もう空気読めよ。」なんて動きが始まってしまうと思うからです。そんな状況だけは避けないと、がん患者の問題を超えて、悲惨なことになると思います。


本当に情けないけど、この件に関しては、あまりにも日本人はまだ幼いと思いま、どうかこの記事が、変に安直な動きのきっかけにならないでほしいです。



ですが、ここまで説明を振り返ってみれば分かる通り、終末期における



『強制リスク』



は、現時点の方が遥かに高いです。

オランダの医療者へのアンケート調査では、積極的安楽死の方が「ルールが明確で安心だ」という回答結果があるくらいです。「強制される」という懸念はナンセンスで的外れです。


現状においても、セーフガードがザル状態の終末期医療下では、


鎮静(間接的安楽死)によっても

何かしらの違法行為を発生するのは容易


なことです。繰り返しますが、実行までが短期間で、積極的安楽死のように厳重な審査が存在しないからです。

なにか犯罪のような事が発生するとしたら、安楽死制度がない『今』であり、間接的安楽死(鎮静)により起こっているはずです。


しかも、“オ・イ・シャ様”信仰が崩れている現代では、尚のこと厳格なルール(選択肢としての積極的安楽死)が必要と考えるのが合理的でしょう。


『鎮静は安楽死の一分類』ということを忘れないで頂き、それを当会は強調したいと思います。

その点、むしろ積極的安楽死は(間接的より)、皆さんが考えている以上にルールと審査が厳格ですし、何より重要なのは、患者本人の『意思決定』『自己決定権』が重視されます。


つまり、海外で進展している安楽死は、日本に常に蔓延っている

父権主義『パターナリズム』を完全に排除した制度設計となっているのです。


別記事でも詳細な説明をしています。

持続的深い鎮静の詳しい解説はこちら↓



鎮静の強制リスクについての解説動画↓




緩和ケアと持続鎮静の仕組みに幻滅して呆れ果て

やむなくスイスへ向かった女性


フジテレビ ザ・ノンフィクション 【私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~】の家族シーン。リビングでソファに座る4人の家族がテレビを見てリラックス。左上に「ザ・ノンフィクション」ロゴと家族の物語のタイトル。
フジテレビ ザ・ノンフィクション

【私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~】

(女性のXアカウントはこちら ⇒ @mahomelc

『マユミ』さんのXアカウント名は『めいしー』です。


最近(2025年11月2日)に続編も放送された、安楽死に関するドキュメンタリー(初出は2024年6月11日)。

大変多くの方が視聴され、Tverでの配信は記録的な回数にのぼりました。

ですが、なぜ、女性マユミさんは、


日本で亡くならず

わざわざ

スイスへ向かったのか?


ご存知でしょうか?

彼女は、X(旧ツイッター)に沢山の投稿文…いえ、皆さんに向けて重要なメッセージを綴っています。当会のメンバーも複数が彼女とDMで交流していました。

当会を立ち上げるキッカケとなった女性でもあります。


『緩和ケアと鎮静』…その現況を理解して頂いた上、

彼女が残した言葉をお聴きになってくださり…安楽死制度の有意性を考えて頂けたらと…

そのように当会リップデー(RiP:D)はお願いしたいです。



フジテレビ ザ・ノンフィクション 【私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~】の女性の投稿文
「鎮静はよくて安楽死はだめの論理展開がよくわからない」「本人不在の意思決定があり高齢者延命治療と大元は同じ」

フジテレビ ザ・ノンフィクション 【私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~】の女性の投稿文
「苦しみ抜いた挙げ句の死の前日にようやくとかだと救われません」「(日本の緩和ケアは)矛盾と欺瞞に満ちた世界です」

フジテレビ ザ・ノンフィクション 【私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~】の女性の投稿文
「(緩和ケア医には)「鎮静は負け」「鎮静なしでコントロールできた俺すごい」的な潜在意識が少なからずある…」

フジテレビ ザ・ノンフィクション 【私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~】の女性の投稿文
「この状況で迎える終末期が怖い」

フジテレビ ザ・ノンフィクション 【私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~】の女性の投稿文
「苦しみながら死ぬことになるかもしれないが現行は仕方がない。甘んじて受け入れろ」「一定の理解を示した上での時期尚早理論が最も厄介な気がする」

フジテレビ ザ・ノンフィクション 【私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~】の女性の投稿文
「苦痛に耐えるだけの日々(そして耐えた先にあるのは死)なんて絶望しかない」

フジテレビ ザ・ノンフィクション 【私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~】の女性の投稿文
「きっとこれが、尊厳を守る、ということかなと思う」「身体の痛みだけでなく心が救われる」

※“むふむふチャンネル”様の提供動画



安楽死とは 3つの分類と世界の現状に続きます。

安楽死とは 3つの分類と世界の現状 ※日本の終末期医療の停滞ぶり
www.rest-in-peace-with-dignity-ripd.com
安楽死とは 3つの分類と世界の現状 ※日本の終末期医療の停滞ぶり
【安楽死とは 3つの分類と世界の現状】日本にて“安楽死”という言葉を指す場合は、上記3つに分類されることを説明しました。この図を念頭に置いておけば、だいたいの安楽死談義には付いて行けるでしょう。それでも分かりづらかった方は、とりあえず安楽死とは3種類あって、1.自分の意思で『死のタイミング』を決定する(積極的安楽死)2.残酷な延命措置は良くない、やらない(消極的安楽死)3.緩和ケアにおける鎮静をしっかり実施(間接的安楽死)簡潔に一言でいうと、このように3つの分類で説明できると覚えておいてください。しかしながら、もはや世界では、2.残酷な延命措置は良くない、やらない3.緩和ケアにおける鎮静をしっかり実施など「当たり前のこと!」というのが現状です。延命治療など虐待と認定されていますし、そもそも消極的安楽死(passive euthanasia)など死語となっています。臨床現場で使われる事はありません(学術上の分類としてのみ残存)。また前回の記事で、日本の緩和ケアにおける“惨状”について触れましたが、終末鎮静は普通に一つの手段として適切に躊躇いなく実施されています。苦痛を感じさせての看取り行

FAQ


Q. 鎮静はどのような場合に行われますか?

A. 強い苦痛が他の治療で緩和できない場合に、最終手段として行われます。


Q. 鎮静は安楽死ですか?

A. 鎮静は安楽死ではありません。苦痛を和らげることを目的とした医療であり、死を目的とする安楽死とは区別されます。


Q. 鎮静で寿命は短くなりますか?

A. 鎮静によって結果的に寿命が短くなる可能性はありますが、主な目的はあくまで苦痛の緩和であり、寿命短縮を目的とするものではありません。


Q. 日本では鎮静は合法ですか?

A. はい、日本では適切な条件のもとで行われる鎮静は合法とされています。緩和ケアの一環として医療現場で広く実施されています。


Q 安楽死が合法の国・地域と各国の法律について教えてもらえますか?

A.こちらから⇩

安楽死が合法の国・地域一覧|各国の法制度と条件をわかりやすく解説│国マップ(世界地図)付き


Q 日本では安楽死は合法ですか?

A.日本では医師による積極的安楽死は合法化されていません。


Q 安楽死と尊厳死の違いは何ですか?

A.こちらから⇩


Q 安楽死初心者です。そもそも安楽死制度とは何ですか?

A.こちらから⇩


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