【フランス 安楽死 #3】フランス安楽死反対の構造|上級国民1割が制度を止める理由と妨害工作の実態
- リップディー(RiP:D)

- 1月3日
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🎧音声による動画解説
安楽死を反対する1割の上級国民
― フランス安楽死制度を妨げる政治・宗教・緩和ケアの構造 ―
はじめに|なぜ安楽死制度は少数派によって止められるのか
フランスにおいて、安楽死制度は世論調査で 一貫して84%〜91%の国民が支持 しているにもかかわらず、長年にわたり法制化が妨げられてきました。
その背景には、人口比では少数派でありながら、政治・宗教・医療界の中枢に影響力を持つ、いわば「上級国民層」による組織的な抵抗が存在します。
本稿では、フランソワ・バイルー首相を象徴的存在として、安楽死制度に反対する勢力が実際に用いてきた妨害工作の具体像を、事実関係に即して整理します。
1.法案分割による安楽死制度妨害|フランス政治における上級国民の戦術(フランス 安楽死 反対 上級国民)

安楽死制度を巡る大きな妨害工作の一つが、包括的な終末期法案の「分割」です。
本来、緩和ケアの拡充と安楽死の合法化は、相互補完的な制度として一体で議論されていました。
しかしバイルー首相は、これを
・緩和ケア法案
・安楽死法案
の二つに分離しました。
この分割により、政治的に安全で反対の少ない「緩和ケア」だけが先行し、安楽死部分は意図的に後方へ追いやられました。
この手法は、制度そのものを否定せず「議論の順序」を操作することで、結果的に法制化を遅延させる典型的な妨害戦略と評価されています。
また、あわよくば安楽死法案だけを廃案に追いやろうと企画していたと言われています。

フランソワ・バイルー首相と宗教的信念|カトリックと政治判断の問題
バイルー首相は、ゴリゴリのカトリック教徒です。
緩和ケアは、神から人間に授けられた技術であるかのように主張していました。

そして当然、多くの政治家、多くの国民から非難の嵐が出ました。

フランスでは、「安楽死協会(ADMD)」がフランソワ・バイルー首相を「嘘をついている」と非難し、首相のインタビュー後には「神秘的な啓蒙」という表現そのものを批判しました。さらに同協会は、「私たちが信じていることを、私たちが何者であるかから根こそぎ奪うことは不可能だ」と述べています。
「フランスの首相が感覚を取り戻し、社会問題に取り組み、宗教的信念を脇に置き、ついにフランスの一般的な利益に関心を持つ時が来ました」と協会は述べた。

日曜日、オリヴィエ・ファロニとともにトップに躍り出たヤエル·ブラウン·ピヴェは、
「2025年に、個人的な信念の名の下に議論を阻止するなんて、私には理解できない」
と発言した。当初は評価が分かれていましたが、マティニョンの主が次第に頑なに見えるにつれて、彼の宗教的信念に対する疑念は濃くなります。
「バイルーのカトリック信仰は、テキストに影響を与えるべきではない」
と、マクロニストの議会関係者は今週、ル·パリジャン紙で不満を述べた。


2.「緩和ケアがあれば安楽死は不要」という論点ずらしの問題点

バイルー首相を含む、安楽死の反対派が繰り返し用いる主張が、
「緩和ケアがあれば安楽死は不要だ」
という言説です。
しかし、この主張は医学的にも倫理学的にも成立しないことは、当会でも再三伝えてきました。
緩和ケアは苦痛を軽減する重要な医療ですが、
・苦痛が完全に消失しない症例が一定数存在すること(20~30%)
・患者自身の「生き方・死に方の選択」には応答できないこと(自己決定権の不在)
が、国際的にも確認されています。
それにもかかわらず、緩和ケアを「代替案」として提示することは、安楽死そのものの議論を避けるための論点操作として機能してきました。
3.外国制度を利用した恐怖喚起|ベルギー安楽死をめぐる誤情報

バイルー首相は、ベルギーなど他国の安楽死制度を引き合いに出し、
・未成年への適用
・制度の「暴走」
を強調しました。
しかし、こうした発言は 事実関係が不正確である として、ベルギー側の元首相や欧州議会関係者から公然と批判されています。
それでもなお、外国制度の一部だけを切り取り、「危険な前例」として提示する手法は、国民の不安を煽るために繰り返されてきました。
「安楽死が合法の国で起こっていること」の児玉真美、そしてその周辺界隈(キリスト教界隈)も、全く同じことを実践しています。
怒り心頭のベルギー元首相のコメント
4.審議遅延を狙った議題すり替え|フランス国会における戦略

明らかに、フランソワ·バイルー政権は、その宗教的信念を傷つけるように見える自由法(安楽死法)に非常に不快感を覚えており、それを拒絶するためのあらゆる手段を探している。
最近、彼が「自分にとって死は存在しない」と述べたことを思い出してください。
議会審議の場では、安楽死法案の審議を先送りするために、
・農薬(ネオニコチノイド)問題
・他の緊急性の低い法案
を優先的に扱おうとする動きも見られました。
これは、正面から反対論を戦わせるのではなく、時間切れを狙う消耗戦です。
実際、こうした提案は他議員の反発で撤回されましたが、妨害工作としての意図は明白でした。
5.宗教勢力と生命倫理の政治動員|フランス安楽死反対運動の背景

安楽死反対運動の背後には、カトリック教会を中心とする宗教勢力の影響があります。
ローマ教皇庁は一貫して安楽死を「自殺」と定義し、絶対的に否定しています。
・「安楽死は自殺であって(キリスト教的)生命倫理に反する卑劣な行為である」
・「自殺は神様を裏切る極めて冒涜的で恥ずべき行為である」
・「キリストの受難がそうであるように“苦しみには意味がある”」
フランスは政教分離国家ですが、実際には
・信仰を持つ政治家
・宗教系医療団体
・緩和ケア界隈の一部
が連携し、宗教的価値観を「普遍的倫理」として政治の場に持ち込んできました。
これは、世俗社会における民主的議論を歪める要因となっています。
そして、実は日本も、オールドメディアが報じないので実態として社会に浮上して来ないだけで、全く同じ構造を持っています。
6.メディアによる印象操作と陰謀論化|安楽死支持者への攻撃

一部の大手紙・日曜紙では、安楽死支持者を
・フリーメーソン
・秘密結社
・反生命思想の集団
として描写する記事が掲載されました。
通称『JDD』とも呼ばれる、1948年に設立された(いちおう)老舗のフランス日曜新聞です(2023年では1号あたりの平均発行部数は約10万部になります)。
これらは明確な根拠を欠くものであり、制度そのものではなく支持者の人格や動機を貶める手法です。
ただこのJDD…元は穏健派だったようで、2023年にゴリゴリの極右カトリック教徒が新編集長に就任してから、こんな露悪な方針に切り替わったそうです。
ALS患者嘱託殺人の医師を「彼らは優生思想の持ち主」と断罪していた『京都新聞』や『プレジデント・オンライン』に近い存在でしょう。
結論 ― 民主主義における少数支配の構造|フランス安楽死問題の本質
(フランス 安楽死 反対 上級国民)
フランスの安楽死議論は、単なる賛否対立ではありません。
そこでは、
・法案操作
・論点ずらし
・恐怖喚起
・審議遅延
・宗教動員
・メディア操作
といった、制度的・非制度的な妨害工作が重層的に展開されてきました。
多数派の意思が、少数の「上級国民的ネットワーク」によって抑え込まれる構図は、現代民主主義が抱える深刻な問題を象徴しています。
安楽死の是非を超えて、この構造そのものが問われていると言えるでしょう。
2026年1月20日、フランス安楽死法案は、フランス国民議会/上院で審議が始まる予定です。
しかし、また何かしらの妨害工作・遅延戦術が発生するかもと、当会はハラハラしながら見守っています。
日本の上級国民ネットワークとは何か|安楽死・尊厳死議論を阻む構造

尊厳死の議論が(安楽死の議論も)進まないのは、障害者団体、難病団体、宗教団体、弁護士会などの反対があるからです。
でも患者さんの意思を尊重するというのは、古代ヒポクラテスの時代から医療の大原則。
これは人権であり幸福追求権です。
下記を目を大きく開いて熟視すれば、安楽死制度のみならず尊厳死をも否定する集団の、(日本における)“上級”国民ネットワークが自ずと見えてくると思います。





高齢者の胃ろうと障害者の経管栄養とはどのように「線引き」できるのでしょう。
そもそも病気や高齢になる前に胃ろうを断るリビングウィルを法制化したり、自分で書いた文章に法の網をかけることのデメリットを考慮せず推進したりして大丈夫なの?
意思疎通のできな人の胃ろうの停止って安楽死では?

尊厳死=安楽死です。これは疑いもない。
自己決定の皮をかぶせてるけど、議案も「医師の免責」を謳ってる。ってことは一筆取ったあとは何もしなくていいってことになるですよ。ALSに行われてるように。
ALS患者には絶対に(リビングウィルを)最期まで書くなと言っています。
よいケアが受けられなくなるので。

「かわいそうだから死なせてあげよう」はナチの安楽死政策そのもの。死なせて欲しいってALS患者に頼まれたって。でもそれに応えたら慈悲殺でしょ。なんで死にたいのか聞いてあげて。












