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台湾で安楽死は合法?終末期医療・患者の自己決定権と法制化議論

執筆者の写真: リップディー(RiP:D)
リップディー(RiP:D)
2025年12月29日
読了時間: 18分

更新日:2 日前

最終更新日:2026年11月7日

※更新履歴:台湾の安楽死制度に関する法的情報、学術研究、参考文献、FAQを見直し|情報の正確性と解説内容を改善


👉 安楽死の基本的な仕組みや全体像を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓


👉 安楽死の定義と分類(積極的・消極的・間接的)の違いは、こちらで整理しています↓


👉 混同されやすい、安楽死と尊厳死の違いをを知りたい方は、こちら(延命治療との関係も整理)↓






台湾では現在、安楽死は合法ではありません。

しかし同時に、

アジアの中でも最も終末期医療と自己決定権が進んでいる国の一つでもあります。


2000年には延命治療の中止を認める「安寧緩和医療法」が成立し、

さらに2016年には患者の意思を事前に法的に保障する制度が整備されました。


つまり台湾は、


「安楽死は未合法だが、その前段階はほぼ整っている」


という極めて特徴的な位置にある国です。


さらに近年では、

国会での公聴会や著名人による問題提起を契機に、

安楽死の制度化をめぐる議論が本格化しています。


なぜ台湾では、ここまで制度が進みながら、

安楽死そのものは合法化されていないのか。


その背景には、


・宗教的価値観

・家族中心の死生観

・政治的意思決定の構造


といった複雑な要因があります。

本記事では、台湾の安楽死をめぐる現状について、


・終末期医療制度の発展

・尊厳死との違い

・制度化が進まない理由

・今後の可能性


を整理しながら、

「なぜ台湾は“制度目前”で止まっているのか」

という核心をわかりやすく解説します。




👉 世界各国の安楽死制度を知りたい方は、こちらで解説しています↓


👉 世界の安楽死制度の成立経緯を年代順で知りたい方は、こちら↓



🎧音声による動画解説



要約図(自由使用可)


台湾の安楽死をめぐる現状を説明する日本語インフォグラフィック。制度の歩み、対象、世論調査、医療界の立場、法的状況を図表で解説。



台湾の安楽死について│台湾における安楽死制度の現状と終末期医療の位置づけ


台湾における安楽死の制度化は、2025年現在においては成立していません。

しかし、終末期医療や患者の自己決定権に関する法律は、他の多くの国と比較して進展しており、安楽死制度をめぐる議論は社会的に着実な発展の途上にあります。


本ページでは、台湾での制度的経緯とその背景、さらに安楽死をめぐる議論の動向について整理して説明します。




1. 尊厳死と安寧緩和医療法の成立(2000年)


台湾では、安楽死制度そのものは成立していませんが、終末期医療に関する法制は早い段階から整備されています。


2000年に成立した「安寧緩和医療法」は、日本で言う、いわゆる尊厳死を法的に認めるものであり、患者本人が意識不明や重度認知症、難病などにより治療継続の意思表示が困難な場合に、延命治療の差し控え・中止を可能とする法的枠組みを提供しています。


※尊厳死とは(日本では)、生命の自然な経過を尊重し、必要以上の医学的介入を避ける方針を指す概念です(いわゆる消極的安楽死)。

日本でも尊厳死を法制化しようという動きはありますが、実現には至っていません。


👉 混同されやすい、安楽死と尊厳死の違いを知りたい方は、こちら(延命治療との関係も整理)↓



廊下に立つ中年の女性。微笑んでリラックスした様子。青いカーディガンとグレーのレースシャツを着用。背景は白い壁。安寧緩和医療法を実現した、台南市、成功大学のチョウカシキ(超可式)教授
台湾では『安寧之母』と呼ばれる著名人

安寧緩和医療法を実現したのは、台南市の成功大学のチョウカシキ(超可式)教授です。

彼女は敬虔なカトリック信者でアメリカで緩和ケアを学び、緩和ケア発祥の地であるイギリスにおいて、シシリー・ソンダース氏のもとで研鑽を積んだ非常に聡明な人物です。


※👉 緩和ケアの歴史とは?シシリー・ソンダースと英国ホスピス、宗教との関係



彼女は1993年に台湾へ帰国してから、終末期医療の改革に尽力し、圧倒的な行動力で、台湾に緩和ケアを普及させ『安寧緩和医療法』を成立させています。

ただ、2000年の安寧緩和医療法は『死に間際の状態、つまり終末期患者のみ対象』としていて不十分なものでした。



病人自主権利法による患者自己決定権の拡大(2016年)

そこで2016年には、

「病人自主権利法」が成立し、終末期以外の患者にも自己決定権を拡大する制度的基盤が整えられました。この法は、患者が自ら治療方針や終末期ケアについて

事前に意思を示す権利を法的に保護するものです。


アジアでは早期の段階で患者の自己決定権を法制化した例として注目されました。




2. 安楽死制度化をめぐる社会的議論


立法院公聴会にみる安楽死制度化議論の進展(2023年)


台湾における安楽死の議論は、法制度としての導入に向けた直近の動きとしては、

2023年3月に立法院(国会)での公聴会が開催されたことが重要です。

これは安楽死制度の整備を目的とした議論の機会であり、国民的な関心を高める契機となりました。



傅達仁氏の訴えと台湾社会における安楽死論争


その機会を生んだのが、著名なジャーナリストでテレビ司会者の傅達仁(フー・ダレン)氏の取り組みです。

彼は緩和ケアを受けても耐え難い痛みに苦しんだ経験から、安楽死の必要性を強く訴え続けました。


2018年にスイスで安楽死した傅達仁(フ―・ダレン)氏
傅達仁(フー・ダレン)氏は、2018年にスイスで安楽死を選択しました。

彼は亡くなる2年前から、台湾議会の公聴会で


「緩和ケアを受けた2年間、最大量の鎮痛剤でも痛みを和らげることが出来ない。緩和ケアを受けても、それでも痛みを軽減できない人々には安楽死を実施できるようにするべきだ」


と訴えています。


👉 安楽死と関係が深い「緩和ケアと安楽死の違い」は、こちらで整理しています↓


👉 緩和ケアの限界とは?│難治性疼痛・緩和的鎮静と安楽死を考える↓


👉 持続的深い鎮静の限界とは?│緩和ケアにおける目的・適応・安楽死との違いと限界



死の直前の2年間、安楽死の合法化を訴えるパイオニアとして国民を議論に巻き込み、

あらゆる主要メディアに出演しました。

この影響は大きく、彼が最期まで活動した2年間でスイスの安楽死推進団体に会員登録する台湾人が6倍に増加しています。


終末期医療の重要性、終末期における『選択肢』というテーマが、

彼の尽力で、台湾国内での安楽死に関する議論を促進する効果をもたらしました。


傅達仁(フ―・ダレン)の息子である傅俊豪(フージュンハ)氏。壇上で眼鏡の男性がマイクに向かって話している。背景には木製のパネルがあり、モニターも置かれている。下部に日付と時刻が表示。

また、彼の息子である傅俊豪(フージュンハ)氏も、台湾議会で「尊厳と善死法」として安楽死制度整備の必要性を提起しています。

これらの動きは、単に制度化の是非にとどまらず、終末期医療における選択肢や苦痛緩和のあり方を社会全体で再考する契機になっています。




👉 緩和ケアの限界とは?終末期の苦痛と安楽死制度を考える|国立がん研究センター・京都大学のデータ


👉 緩和ケアの限界とは何か|痛みが消えない終末期医療の実態と国内外の証言




3. 安楽死に反対する宗教的・文化的背景


ただ安楽死制度に対する反対意見も依然として強いです。

台湾社会には仏教(大乗仏教)や道教などの伝統的宗教観が根強く存在し、

生命尊重の価値観から安楽死に慎重な立場をとる宗教団体や信者が多くみられます。


※👉 台湾の安楽死反対派とは?医療界・宗教界・障害者団体・政府の懸念を解説



これらの宗教コミュニティは地域社会でも大きな影響力を持つため、政治過程において保守的な立場が反映されやすいという課題があります。


台湾には多くの寺院がありますが、選挙期間中には

寺院が政府や特定の政治人物と協力することが多く、

政治家はどうしても保守的な寺院の希望に従う傾向があり、

民意を選挙に反映するのが難しい要因も秘めています。


文化的背景としては、「死生観」や「家族の役割」に関する価値観が制度論に影響を与えており、単なる法解釈の問題ではなく、社会全体の合意形成が必要とされる複雑な政策課題となっています。




👉 安楽死をめぐる賛否の論点を体系的に整理したい方は、こちらをご覧ください↓


👉 安楽死反対運動とは?|宗教・緩和ケア・情報発信から見る背景と構造


👉 安楽死反対派・慎重派の人物と団体一覧|医師・障害者団体・法律・宗教・学者の主張を整理【完全ガイド】




4.台湾における安楽死・自殺幇助(医師援助死)の支持率と世論動向


しかし、安楽死を支持する世論は強いです。

2022年の大規模オンライン調査(約3,900名対象)により、医師による幇助死に対する高い支持率が確認されています。


・終末期の苦痛が耐え難い患者に対しては86.2%が支持


・治療不能で苦痛が続く場合も79.6%が支持


・重度の認知機能障害がある場合も72.6%が支持と回答がありました。


・全体として、67.6%が

全シナリオにおいて安楽死の権利を認めるべきと支持したことが報告されています。


※👉出典↓



Bi Liying医師の写真と、医療扶助調査についての詳細なテキスト。重要なポイントは赤字で強調されている。台湾での安楽死の支持率86.2%という記事

台湾における安楽死と緩和ケアの状況を説明する文章。赤字が強調され、重要な統計と人権改善への影響が述べられている。
台湾では現在、毎年約20万人が亡くなっているため、安楽死サービスが必要な人は2,000人から8,000人おり、審査に合格できる人もいます…

※👉出典↓




👉 安楽死と自殺の違い・関係を整理したい方は、こちらをご覧ください↓


👉 身体疾患と自殺の関係|警察庁・厚労省統計から見る年間約4,000人規模の実態


👉 日本における安楽死の法律的な扱いについては、こちらで詳しく解説しています↓




5.台湾の終末期医療と安楽死制度化の今後


世界のいくつかの国では既に安楽死や医師の援助による死(自殺幇助)の法制化を進めています。例えば、オランダ、ベルギー、カナダ、オーストラリアなどでは厳格な要件のもとで合法化されています。


他方、欧州の多くの国やアジアのいくつかの地域では消極的安楽死(延命治療の差し控え)は認められていても、積極的な安楽死は進展していません。


ただ台湾では、安楽死そのものは法制化されていないものの、終末期医療や患者の自己決定権を尊重する制度が比較的早い段階から整備されてきました。


近年は、著名人の発信や国会での公聴会を通じて安楽死に関する公開討論が進みつつあり、社会的な議論は深化しています。一方で、文化的・宗教的価値観や政治的な力学が制度化に対する難しさを生んでいます。


今後、台湾社会がどのように生命の尊厳と患者の意思決定を制度的に調和させていくかは、アジアにおける重要な先行事例として注視されるべき課題といえます。




👉 安楽死とは何かを整理したい方は、こちらで全体像を確認できます↓


👉 地図で確認する安楽死が合法の国 一覧と各国の制度↓


👉 日本の安楽死の歴史・事件を知りたい方は、こちらをご覧ください↓




台湾の3つの制度を比較する表

制度・行為

法的な位置づけ

内容

安寧緩和医療法

合法

終末期の緩和ケア、一定条件下の延命治療の差し控え・中止

病人自主権利法

合法

ACP、ADなどを通じた患者の事前医療決定

積極的安楽死

合法化されていない

医師等が患者に致死的介入を行う行為

医師による自殺幇助

合法化されていない

医師が自殺に必要な手段を提供する行為


※追記(2026年11月7日)

👉2026年4月より台湾政府は、本格的に制度設計に取り掛かりはじめました↓

『台湾の安楽死法制化が新段階へ|立法院で始まった制度設計議論と超党派協議の現状』



台湾の終末期医療の歴史年表

台湾の終末期医療制度の発展


1.1993年

趙可式教授が台湾に戻り、緩和ケアの普及に取り組む。


2.2000年

安寧緩和医療法が公布される。


3.2016年

病人自主権利法が公布される。


4.2019年

病人自主権利法が施行される。


5.2022年

医師による援助死に関するオンライン世論調査を実施。


6.2023年

台湾の終末期医療をめぐる議論が継続。


7.2024年

台湾安寧緩和医学会が安楽死・医師による自殺幇助に関する声明を改訂。


8.2025年

台湾の援助死に対する世論調査がBMJ Openに掲載される。


※2025年12月29日までの情報に基づく年表。

各年の出来事は、それぞれの公的資料・研究に基づいて掲載してください。



※追記(2026年11月7日)

👉安楽死法案も作成されています↓

台湾の安楽死法案「尊嚴善終法」とは?条件・手続き・保護措置を解説【2026年最新】




FAQ|台湾の安楽死に関するよくある質問


Q1.台湾では安楽死は合法ですか?

A. いいえ。2025年12月29日時点で、台湾では積極的安楽死や医師による自殺幇助は合法化されていません。

一方、台湾では2000年の安寧緩和医療法と2016年成立・2019年施行の病人自主権利法により、終末期医療や患者の事前医療決定に関する制度が整備されています。

ただし、延命治療の差し控え・中止と、医師が患者に致死的介入を行う安楽死は、別の制度です。


Q2.台湾で認められている尊厳死とは何ですか?

A. 台湾では、安寧緩和医療法や病人自主権利法に基づき、一定の条件のもとで延命治療を差し控えたり中止したりすることが認められています。

これは、患者の意思を尊重し、過度な医療介入を避けるための制度です。

ただし、「尊厳死」という言葉の定義は国や文脈によって異なります。延命治療の中止を、医師が致死的介入を行う積極的安楽死と同一視することは適切ではありません。


Q3.台湾の病人自主権利法は安楽死を認める法律ですか?

A. いいえ。病人自主権利法は、患者の医療上の自己決定権を保障するための法律です。

事前ケア計画(ACP)や事前医療決定(AD)を通じて、一定の臨床条件における延命治療や人工栄養・水分補給などについて、本人の意思を事前に示す仕組みを整えています。

医師が患者の死亡を直接もたらす積極的安楽死を認める法律ではありません。


Q4.台湾は緩和ケアを否定して安楽死を求めているのですか?

A. いいえ。安楽死の法制化を議論することは、緩和ケアの必要性を否定することとは異なります。

緩和ケアは、身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな苦痛を軽減し、患者と家族の生活の質を支える重要な医療です。

一方で、緩和ケアを提供しても、すべての患者が抱える苦痛や価値観の問題を完全に解決できるとは限りません。

そのため、緩和ケアの充実と、耐え難い苦痛に直面した患者の選択肢についての議論は、それぞれ分けて検討する必要があります。


Q5.台湾では安楽死に反対する医療関係者もいるのですか?

A. はい。台湾安寧緩和医学会は2024年改訂の公式声明で、安楽死と医師による自殺幇助を支持しない立場を示しています。

反対・慎重論には、生命の尊重、医療者の倫理的責任、緩和ケアの充実、本人の意思が家族や経済的事情によって左右される危険性など、複数の論点があります。

制度化を検討する場合には、こうした懸念を踏まえ、本人の意思確認、独立した審査、濫用防止などの仕組みを慎重に検討する必要があります。


Q6.台湾の世論は安楽死に賛成しているのですか?

A. 2025年にBMJ Openに掲載された研究では、2022年に実施されたオンライン調査の有効回答3,922人について、医師による援助死への支持が調査されています。

研究では、終末期疾患の場合86.2%、耐え難い非終末期の身体的苦痛の場合79.6%、重度の認知機能障害の場合72.6%が支持したと報告されています。

ただし、論文の要約には身体的苦痛の項目について79.2%という記載もあります。また、オンライン調査は台湾全人口を代表する標本ではないため、これらの数値を台湾国民全体の確定的な支持率と解釈することはできません。


Q7.台湾で安楽死の法制化が進んでいないのはなぜですか?

A. 台湾では、患者の自己決定権、生命倫理、宗教的価値観、家族の関与、医療従事者の責任、濫用防止など、さまざまな論点が関係しています。

また、医療専門学会が安楽死と医師による自殺幇助に反対する立場を示していることも、社会的議論を理解するうえで重要です。

ただし、宗教や政治的な影響だけを原因として断定することはできません。法案審議や公的な発言、社会調査などを踏まえた検証が必要です。


Q8.安楽死の制度化を求めることは、緩和ケアや障害者福祉を軽視することになりませんか?

A. 必ずしもそうではありません。

安楽死の法制化をめぐる議論では、緩和ケアの充実、障害者福祉、介護支援、経済的な支援、社会的孤立の防止などを同時に検討する必要があります。

本人が十分な医療・福祉サービスを受けられないことを理由に、死を選ばざるを得ない状況が生じることは防がなければなりません。

その一方で、必要な支援を提供することと、耐え難い苦痛に直面する人の自己決定権をどこまで保障するかという問題は、別々に考える必要があります。

重要なのは、緩和ケアや福祉の充実を前提としながら、患者本人の意思と尊厳をどのように制度的に保障するかを検討することです。








参考文献・公的資料


本記事では、台湾の終末期医療制度、患者の自己決定権、医師による援助死をめぐる世論および生命倫理上の議論について、台湾政府の公式資料、法律原文、査読付き学術論文、専門学会の公式声明を参照しています。


1.台湾の法制度・公的資料

・台湾・安寧緩和医療法(Hospice Palliative Care Act)

台湾の終末期患者に対する緩和医療と、延命治療の差し控え・中止に関する法的枠組みを定めた法律。


・台湾・病人自主権利法(Patient Right to Autonomy Act)

患者の医療上の自己決定権、事前ケア計画(ACP)、事前医療決定(AD)などを定めた法律。


・台湾衛生福利部:Patient Right to Autonomy Act

2016年の公布と2019年の施行に関する政府の説明資料。


・台湾法務部:Criminal Code of the Republic of China, Article 275

嘱託による他者の殺害および自殺の教唆・幇助に関する刑法上の規定。



2.査読付き学術論文

・Chen D-R, Kuo C-T, Wu KC-C.

Cross-sectional survey on public attitudes and factors related to physician-assisted dying in Taiwan.

BMJ Open. 2025;15(1).

DOI: 10.1136/bmjopen-2024-089388

PMID: 39819930

台湾の成人を対象としたオンライン調査。終末期疾患、耐え難い非終末期の身体的苦痛、重度の認知機能障害という3つの状況における医師による援助死への意識を調査している。


・Wang Y.

Advance Care Planning in Taiwan.

Zeitschrift für Evidenz, Fortbildung und Qualität im Gesundheitswesen. 2023;180:107–110.

DOI: 10.1016/j.zefq.2023.06.002

PMID: 37517966

台湾における事前ケア計画(ACP)の発展と、終末期医療における患者の自己決定権の制度的整備を解説している。


・Lin K-H, Chen Y-S, Chou N-K, Huang S-J, Wu C-C, Chen Y-Y.

The Associations Between the Religious Background, Social Supports, and Do-Not-Resuscitate Orders in Taiwan: An Observational Study.

Medicine (Baltimore). 2016;95(3).

DOI: 10.1097/MD.0000000000002571

PMID: 26817913

台湾の集中治療室におけるDNR決定と宗教的背景・社会的支援との関連を調査した観察研究。宗教的背景と終末期医療の意思決定との関連を考えるための資料である。


・Chiu T-Y, Hu W-Y, Cheng S-Y, Chen C-Y.

Ethical dilemmas in palliative care: a study in Taiwan.

Journal of Medical Ethics. 2000;26(5):353–357.

DOI: 10.1136/jme.26.5.353

PMID: 11055038

台湾の緩和ケア病棟における倫理的問題を調査した研究。治療方針、栄養・水分、鎮静などの問題を扱い、終末期医療における倫理的課題を示している。



3.反対・慎重論に関する専門学会の資料

Taiwan Academy of Hospice Palliative Medicine

Position Statement on Euthanasia and Physician-Assisted Suicide, 2024 Revised.

台湾安寧緩和医学会による安楽死・医師による自殺幇助に関する公式見解。患者の苦痛に対する共感と高品質な緩和ケアの提供を重視し、安楽死と医師による自殺幇助を支持しない立場を示している。

※上記の専門学会声明は査読付き学術論文ではなく、専門団体の公式見解として掲載しています。



4.台湾の緩和ケアの歴史に関する公的資料

National Cheng Kung University(国立成功大学)

成大安寧史特展:成大生命教育之歷程

台湾における安寧緩和医療の普及と趙可式教授の活動、大学病院における緩和ケアの発展を紹介する資料。



調査上の注意

本記事では、安楽死制度の法的な位置づけと、終末期医療における患者の自己決定権を区別しています。

また、学術論文による調査結果は、研究対象、調査方法、標本の特性、研究上の限界を踏まえて紹介しています。

学術研究の結果と、特定の制度を導入すべきかという政策的・倫理的判断は、同一のものではありません。




👉 世界各国の申請プロセスをまとめて確認する場合はこちら(ハイライト)↓


👉 世界の安楽死法│法律の紹介↓




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