安楽死とは 基本知識 緩和ケアにおける鎮静 『間接的安楽死』
- リップディー(RiP:D)

- 9月23日
- 読了時間: 7分
更新日:4 時間前
【安楽死とは 基本知識 緩和ケアにおける鎮静】

前回の記事では消極的安楽死(いわゆる“尊厳死や平穏死”)について説明しました。
※消極安楽死の記事はこちら→★★★★★
今回は、間接的安楽死について簡単に説明していきます。
キーワードとしては、皆様もお聞きになったことのある緩和ケアや鎮静について。
間接的安楽死(Indirect Euthanasia)
(緩和ケアにおける鎮静)

まず緩和ケアとは、
致死的な病気で苦しんでいる人々の『痛みや不快感』を
『鎮痛剤&鎮静剤』で出来るだけ和らげながら
『人生の最終段階』を出来るだけ『快適』に過ごしてもらう医学的対応
一言でいえば『痛みを和らげる対応』であり、緩和ケア医は、『痛みを和らげてくれる人達』のことを指します。
緩和ケアの詳細(WHOの定義や現状と実態など)は別回で述べますが、まずはザックリこのように覚えておくと良いでしょう。
次に間接的安楽死とは、
緩和ケアにおける対応法の一つの手段。
正式名称は『持続的な深い鎮静』。単純に『鎮静』、または終末鎮静やセデーションと呼ばれます。簡単に説明します。
まず『手術の場面』を思い浮かべてください。

執刀医がメスを持って皮膚を裂き、内臓に手を入れています(開腹手術)。
もちろん頭部にメスを入れるケースもあり“脳味噌”や血管を動かしたりします。
しかし、麻酔がかかっているので、一般論で
痛みで眼を覚ますことはありません
つまり
人為的に強力な”眠り薬”を身体に注入すれば
痛みを感じないまま『深い眠り』の状態を維持できる
それが現代の医療技術では可能です。
そして『深い眠り』=『痛みを感じない状態』を持続して、かつ
水分も栄養も何も与えず
見守り続けたら、深い眠りの中で痛みを感じることなく、最終的に安らかに亡くなります(いわゆる餓死)。
これが『鎮静』こと『持続的な深い鎮静』です。
このように医療者側が、どんなに手を尽くしても、どんな痛みの緩和薬を使用しても
耐え難い苦痛に対応できなくなった場合には
(患者が「殺してくれ」と叫ぶぐらいの苦痛状態になって、やっと…)
“強い眠り薬”を持続的に投与して深い睡眠を維持し、静かに亡くなっていく手段を取ります。
(壮絶な苦痛が一定期間、続くようになって初めて、医療者が話し合い最終的に決定)

この『鎮静』という行為は、通常の医療行為として日本で認可されています。
“がん”で身内を亡くされた方には、それと知らず、鎮静処置を受けた方もいるでしょう。
ですが、ここで考えてみてください。
鎮静は、鎮静剤を投与することで強制的に眠った「状態を」維持して、食事も水分も与えず、いわば放置した状態です。
しかも、積極的安楽死のように、条件が緩いどころかザル状態で、厳しい審査もありません。そして医療者側の胸先三寸で判断され、決定されます。
患者が「もう殺してくれ」と幾ら叫んでも、家族がその悲鳴を耳にしても、決定は緩和ケア医に決定権があり、患者側は
『死のタイミング』を決められず、
『意思の決定』は認められません。
(医師会と緩和ケア業界に奪われています)。
多くの末期患者は判断が朦朧のため意識が混濁しており、つまり鎮静は、一歩間違えれば
殺人行為
または患者ご本人や家族に了解を得て行うケースでは…
自殺幇助
と捉える事が出来ます。最初から『死ぬことを前提』とした対応手段だからです。
だからこそ、厳密にいうと、学術的には安楽死の一分類、つまり
間接的(な)安楽死
と定義づけられています。別称として『ソフト(soft)な安楽死』『スロー(slow)な安楽死』と呼ばれるのは、そのような理由があります。
もっと掘り下げると、結局のところ、冒頭で紹介した緩和ケアの説明文…
『痛みや不快感』を~和らげながら『人生の最終段階』を
出来るだけ『快適』に過ごしてもらう
という定義からは逸脱しており、ざっくり言えば、その今までのケア対応が
“お手上げ状態”
になった末の…緩和ケアを放棄した後の…最後に残ったタスクとなります。
これが安楽死のひとつの分類、間接的安楽死の説明となります。
ご存知の方も多いと思いますが、残念ながら、この間接的安楽死(持続的な深い鎮静)、そしてまた、緩和ケア業界そのものが、近年様々な脆弱性を抱えていることが発覚しています。
それらについては別記事『緩和ケアについて』の項目で解説します。
⇩
※未定
※補足①
緩和ケア業界は『鎮静を(間接的な)安楽死』と定義されることを極度に嫌悪します。
「私達は安楽死はしていない。患者さんの痛みに対処しただけ」と主張し、あから様に間接的安楽死という用語を社会から封殺しようと画策もしています。
気持ちは分かります。殺人だの自殺ほう助だのと揶揄されがちな“安楽死”と一緒にされたくないからです。自分たちは崇高な行為をしていると思い込みたい感情は理解できます。
しかし、それが故に、
『鎮静は出来ればやりたくない』
『あくまで痛みの緩和のみが仕事』
として、鎮静という手段を採用しない(痛みの緩和のみに終始する)緩和ケア医が、日本には沢山いるのが現状であり、また日本緩和ケア業界の現状となっています。
※補足②
安楽死を反対する方々に、このような懸念をされる方が一定数いらっしゃいます。


ですが、ここまで説明を振り返ってみれば分かる通り、終末期における
『強制リスク』
は、現時点の方が遥かに高いです。オランダの医療者へのアンケート調査では、積極的安楽死の方がルールが明確で安心だという回答結果があるくらいです。「強制される」という懸念はナンセンスで的外れです。
現状においても、セーフガードがザル状態の終末期医療下では、鎮静(間接的安楽死)によっても何かしらの違法行為を発生するのは容易です。繰り返しますが、実行までが短期間で、積極的安楽死のように厳重な審査が存在しないからです。
“オ・イ・シャ様”信仰が崩れている現代では、尚のこと厳格なルール(選択肢としての積極的安楽死)が必要と考えるのが合理的でしょう。
『鎮静は安楽死の一分類』ということを忘れないで頂き、それを当会は強調したいと思います。
その点、むしろ積極的安楽死は(間接的より)、皆さんが考えている以上にルールと審査が厳格ですし、何より重要なのは、患者本人の『意思決定』『自己決定権』が重視されます。
つまり、海外で進展している安楽死は、日本に常に蔓延っている父権主義『パターナリズム』を完全に排除した制度設計となっているのです。
備考

【私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~】
(女性のXアカウントはこちら ⇒ @mahomelc)
『マユミ』さんのXアカウント名は『めいしー』です。
最近(2025年11月2日)に続編も放送された、安楽死に関するドキュメンタリー(初出は2024年6月11日)。
大変多くの方が視聴され、Tverでの配信は記録的な回数にのぼりました。
ですが、なぜ、女性マユミさんは、
日本で亡くならず
わざわざ
スイスへ向かったのか?
ご存知でしょうか?
彼女は、X(旧ツイッター)に沢山の投稿文…いえ、皆さんに向けて重要なメッセージを綴っています。当会のメンバーも複数が彼女とDMで交流していました。
当会を立ち上げるキッカケとなった女性でもあります。
『緩和ケアと鎮静』…その現況を理解して頂いた上、
彼女が残した言葉をお聴きになってくださり…安楽死制度の有意性を考えて頂けたらと…
そのように当会リップデー(RiP:D)はお願いしたいです。







※“むふむふチャンネル”様の提供動画
安楽死とは 3つの分類と世界の現状に続きます。
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