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安楽死に反対する障害者団体一覧|DPI・JCIL・障害者運動の立場と論点

執筆者の写真: リップディー(RiP:D)
リップディー(RiP:D)
1月23日
読了時間: 20分

更新日:2 日前

人物の経歴や詳細は、随時更新・アップデートしていきます。

(最終更新日:2026年9月21日)

※更新履歴:記事を公開・更新|団体・人物情報、関連資料を追加・整理


👉 安楽死の基本的な仕組みや全体像を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓


👉 安楽死の定義と分類(積極的・消極的・間接的)の違いは、こちらで整理しています↓


👉 混同されやすい、安楽死と尊厳死の違いをを知りたい方は、こちら(延命治療との関係も整理)↓



安楽死制度をめぐる議論において、日本では「誰が反対しているのか」を正確に把握することが極めて重要です。

特に



障害者団体や福祉系NPO、医療関係者などは、

制度形成に直接的な影響力を持つ存在



として、議論の方向性を大きく左右してきました。

まず結論から整理します。



・日本社会は「空気」に弱いという指摘 ← 選択肢の存在と強制はまったく別である


・「弱者が死を選ばされる」という懸念 ← 制度設計と監査体制の問題であり、制度そのものの否定理由にはならない


・「命の選別につながる」という主張 ← 現実にはすでに医療現場で判断は行われている


・「支援不足が原因」という批判 ← 本人の意思と社会制度は分けて議論すべきである


・「滑り坂論(拡大する危険)」 ← 海外では監視制度により抑制されている



このように、安楽死反対論の多くは「倫理的懸念」や「社会構造への不信」に基づいており、必ずしも制度そのものの危険性を直接示すものではありません。


本記事では、日本において安楽死制度に反対している人物・団体を一覧形式で整理し、それぞれの立場・思想・影響力を構造的に解説します。


あわせて、なぜこれらの団体が強い影響力を持つのか、

その背景にある障害者運動や福祉思想との関係についても明らかにしていきます。




👉 安楽死をめぐる賛否の論点を体系的に整理したい方は、こちらをご覧ください↓



🎧音声による動画解説



要約図(自由使用可)


安楽死に反対する障害者団体の関係図。DPI日本会議、JCIL、ピープルファーストジャパンのつながりや主要論点を示す図表。



安楽死制度に反対する障害者団体の全体像(日本)


日本において安楽死制度をめぐる議論(2012年尊厳死法案潰しも含む)は、医療・法制度だけでなく、



障害者運動の歴史や思想



と深く結びついています。


本稿では、安楽死制度に反対する主要な障害者団体と、

その周辺で発言力を持つ人物群を、組織構造と思想的背景の両面から整理していきます。




👉 障害者運動の歴史|明治から2000年までをわかりやすく解説【前編】


👉 障害者運動の歴史|2000年代から現在までをわかりやすく解説【後編】│尊厳生・生命倫理・ALSと当事者運動の展開




団体


・DPI 日本会議:全国ネットワークの中核組織

DPI日本会議は、約90を超える障害者団体を束ねる全国的ネットワーク組織です。

国際的な障害者権利運動(DPI)と連動し、日本国内では政策提言、ロビー活動、集会・学習会の開催を通じて影響力を持っています。


安楽死制度に関しては、「制度化が障害者・要介護者への社会的圧力になり得る」という立場から、明確に反対の姿勢を表明してきました。


👉 11/28(水)緊急集会「安楽死・尊厳死の問題点と介助者確保について」 - DPI 日本会議


👉 尊厳ある生 安楽死・尊厳死・臓器提供 (=障害や難病、脳死などを理由を死期を早めること)をめぐる問題についてDPI全国集会「尊厳生分科会」報告・感想- - DPI 日本会議



DPI日本会議の案内文のスクリーンショット。見出しに「障害者団体を束ねた組織」「尊厳死&安楽死反対の総本山」とあり、後援・協力先一覧が色枠で強調されている。

DPI日本会議の第40回全国集会掲載団体一覧をまとめた案内画像。青い見出しと各団体名・TEL、FAX、メールが表示されている。




・日本自立生活センター(JCIL):実践的運動拠点

日本自立生活センター(JCIL)は、京都を拠点とする自立生活運動の中核団体であり、介助者派遣事業を運営する実務組織でもあります。


JCILは、街頭行動、声明発表、映像発信など、比較的可視性の高い形で安楽死反対を訴えてきました。DPI日本会議と人的・思想的に重なり合う部分が多く、実践的抗議活動の中心的役割を担ってきた団体と位置づけられます。


安楽死反対の巣窟『JCIL(日本自立生活センター)』と、その周縁のお気持ち表明(※むふむふチャンネル様の提供)

『JCIL』職員の安楽死を支持する人々への発言(※むふむふチャンネル様の提供)




・ピープルファーストジャパン:当事者主体の運動

ピープルファーストジャパンは、知的障害のある当事者が主体となり、自らの言葉で権利や生活課題を発信する全国組織です。


安楽死制度については、「理解や支援が不足した社会で制度だけが先行すること」への懸念が示され、DPI系の議論と接続する形で反対の立場が共有されてきました。






・安楽死・尊厳死法制化を阻止する会

2005年に発足。

安楽死や尊厳死の法制化に反対し、障害者・高齢者・病者などへの社会的圧力や、「生きる価値」の選別につながる可能性を問題視する市民団体・運動体です。

医療・福祉の充実や、本人の意思を尊重した終末期のあり方を求める活動を行っています。



2005年に発足した『安楽死・尊厳死法制化を阻止する会』の賛同者・賛同団体には、

現在も安楽死・尊厳死や障害者政策、生命倫理などの領域で活動する人物が含まれてます。


人物

現在の活動

安楽死・尊厳死との現在の接点

記事掲載

川口有美子

ALS・生命倫理・終末期ケア

ALS、生命倫理、終末期医療・自己決定などについて継続的に発言

◎

安藤泰至

生命倫理・医療倫理

安楽死・尊厳死、ALS嘱託殺人、終末期医療などを継続的に論考・発言

◎

小松美彦

生命倫理・科学史

脳死・尊厳死・安楽死・優生思想などを長年研究

◎

市野川容孝

社会学・医療社会学

優生学、障害、医療・生命倫理などの観点から安楽死問題と接点

○

天田城介

社会学・ケア研究

老い、障害、病、ケア、生存保障などを継続的に研究

○

野崎泰伸

哲学・生命倫理

障害者の生存、尊厳死・安楽死、生命倫理について継続的に論考

○

土屋葉

社会学・障害学

障害、家族、ケア、社会保障などを継続研究

○

岡部耕典

社会福祉・障害学

障害者政策、地域生活、福祉・ケアを研究・発信

○

尾上浩二

障害者運動・障害政策

DPI日本会議を中心に、障害者権利・政策について継続的に活動

○

青木千帆子

障害学・障害社会学

障害者運動、障害政策、社会的排除などを研究

○

小泉義之

哲学・生命倫理

障害、生存、優生思想、生命倫理などをめぐる哲学的議論

△

石原俊

社会学・歴史社会学

障害・社会運動を含む社会学・歴史社会学の研究

△

守屋友江

宗教学・社会思想

宗教・社会思想等について研究・教育活動

△

下河原忠道

高齢者福祉・介護

高齢者ケア、介護、終末期のあり方などについて発信

△

※記号の意味

  • ◎:現在の安楽死・尊厳死論との直接的な接点が確認しやすく、記事で人物紹介を設ける意義が大きい

  • ○:現在も活動しており、障害・医療・ケア・生命倫理などを通じて安楽死問題と接点がある

  • △:現在の活動は確認できるが、現在の安楽死・尊厳死論との直接的な接点は比較的弱い



安楽死反対の雄『岡部 宏生(故人)』のお気持ち表明(※むふむふチャンネル様の提供)


黒背景のスライドに「尊厳死安楽死法制化に抗する運動」と年表やURLが表示され、右に手話通訳と参加者のオンライン映像。
2024年6月2日のDPI 日本会議の大会模様
女性のプロフィールページ。左に顔写真、右に「川口有美子」「日本ALS協会理事」「さくら会副理事長」などの経歴文が並ぶ。

川口有美子のX投稿のスクリーンショット。医師の免責、ALS患者へのケア、自己決定の皮をかぶせるなどの日本語文が表示されている。

Twitter投稿のスクショ。川口有美子が@shinjotakuya宛てに、安楽死法制や治療停止をめぐる日本語文を投稿し、上部に「詳細はこちら」と表示。

※「新城拓也」氏の発言については、こちらをご覧ください↓







・尊厳死法制化に反対する会

2012年に設立。

尊厳死の法制化に反対する市民団体。障害者や高齢者などに「死を選ぶこと」を社会的に求める圧力が生じることを懸念し、法制化ではなく、必要な医療・介護・福祉を保障することを求めています。 尊厳死法制化に反対する会



現在も比較的注目すべき人物

人物

現在の活動

安楽死・尊厳死との現在の接点

記事掲載

児玉真美

著述・評論

安楽死・尊厳死を継続的に論考

◎

川口有美子

ALS・生命倫理・終末期ケア

現在も生命倫理・終末期ケア分野で活動

◎

安藤泰至

生命倫理学者

安楽死・尊厳死を主要研究テーマとして継続

◎

桐原尚之

精神障害者運動・障害学

2024年に「自己決定による安楽死と障害者権利条約」を発表

◎

野崎泰伸

生命倫理・哲学

2024年にも安楽死・尊厳死を論じる論文

○

天田城介

社会学者

生存保障・老い・病・障害等を研究

○

土屋葉

社会学・障害学

障害・家族・ケアを継続研究

○

岡部耕典

社会福祉・障害学

障害者政策・社会福祉領域で活動

○

青木千帆子

障害学・障害社会学

障害者運動・障害政策領域で活動

○

石原俊

社会学者

社会学・歴史社会学等で現在も研究

△

守屋友江

宗教学者

現在も大学・研究機関で活動

△

下河原忠道

高齢者福祉・介護事業

高齢者ケア・終末期関連の発信

△

※その他:

・川島孝一郎

仙台往診クリニックの川島孝一郎氏。

現在、日本生命倫理学会の「人生の最終段階におけるケア」部会の部会長。

「現在も終末期医療・生命倫理領域で活動する賛同者」


・みわ よしこ

みわよしこ(三輪佳子)も名簿掲載は確認できますが、

今回の「直近5年以内に安楽死・尊厳死をめぐって比較的著名な言論活動を確認できる人物」という基準では、上記

の人物より一段下。名簿上は「フリーランスライター」として明記。


みわよしこ/Yoshiko MiwaのX投稿のスクリーンショット。安楽死を必ずと強調し、QOLや積極的安楽死の4要件について日本語本文が表示されている。

Xの投稿画面。みわよしこ氏の日本語投稿で日本基督教団が黄色で強調され、下に椎井蹴人の引用投稿が表示されている。





・尊厳死の法制化を認めない市民の会

2012年の発足。尊厳死の法制化に反対する市民団体。

尊厳死を法律で制度化することで、障害者や高齢者、病者などに「死を選ぶこと」を促す社会的圧力が生じることを懸念し、必要な医療・介護・福祉を保障することを求めています。


日本語の記事スクリーンショット。見出しは8割の日本人がベッドの上で溺死させられる、赤字の注記と強調枠があり、右下に安楽死特区の本表紙が表示されている。
尊厳死の議論が進まないのは、障害者団体、難病団体、宗教団体、弁護士会などの反対があるからです(※安楽死も同じ集団)

👉 2012年の「事件」に関しては、こちらで詳しく解説しています↓

【尊厳死法制化に反対する理由とは?反対運動の構造と2012年尊厳死法案「未提出の真相」】





結語

この団体を中心に、その周縁には、さまざまな団体や市民グループ、個人が入り乱れ、安楽死・尊厳死をめぐる反対運動や言論空間を形成しています。


👉 障害者団体や福祉系NPOの主張構造については、こちらで詳しく検証しています




主要な人物


・児玉真美:

 フリーライター 

  一般社団法人日本ケアラー連盟の役員

 DPI系の集会・学習会・出版物で

 彼女の議論が頻繁に引用・参照される


 → DPIの安楽死反対論の“理論的背骨”を提供している存在

 JCILの実践的抗議活動 × 児玉の思想的枠組み


👉 児玉真美氏の正体を知りたい方は、こちらからご覧ください↓


👉 講演も実施:尊厳死法制化に反対する会: 4月 2014 ↓



・川口有美子: 

 NPO法人さくら会 副理事長

 DPI日本会議のイベントで司会・発言を行うことがある人物

 運動間の橋渡し的役割


・岡部宏生(故人):

 NPO法人 境を超えて代表 DPI 日本会議 理事


・佐藤 裕美: 

 境を超えて 代表


・本間 里美:

 同上


・岡本 直樹:

 DPI日本会議 常任委員・CILふちゅう代表


・増田英明:

 NPO ある理事 ALS患者 

 DPI/JCIL関連議論で言及される人物


・渡邉 琢:

 日本自立生活センター(JCIL)事務局員

 

・山崎 恵:

 DPI日本会議 常任委員


・下林 慶史:

 DPI日本会議常任委員・JCIL


・大藪 光俊:

  日本自立生活センター(JCIL)事務局員

  筋ジス病棟の未来を考えるプロジェクト


・野瀬 時貞:

  日本自立生活センター(JCIL)事務局員


・岡山 裕美 :

 同上


・小泉 浩子:

 日本自立生活センター自立支援事業所管理者


・矢吹 文敏:

 JCIL代表(過去)


・佐々木 信行:

 ピープルファーストジャパン


・小田島 栄一:

 ピープルファーストジャパン


・住田 理惠:

 ピープルファーストジャパン


・宍戸 大裕:

 映画監督(『杳かなる』監督)




👉 安楽死反対は誰を守っているのか──障害者団体・福祉系NPOの論理構造を検証する




団体間の関係性と思想的特徴


DPI日本会議を軸に、JCILが実践的行動を担い、ピープルファーストジャパンが当事者性を補完するという構造が見られます。

そこに、児玉真美のように研究者的立場から理論化を行う人物が加わることで、日本独自の安楽死反対論が形成されてきました。


👉 「命の価値」や倫理的議論については、こちらで詳しく検証しています




行政・世論との関係

これらの団体は、厚生労働省や地方自治体への要望書提出、審議会への意見表明を通じて、制度設計段階から影響を与えてきました。

日本の安楽死議論を理解するうえで、障害者団体の反対論は欠かせない要素となっています。


👉 なぜこの問題が議論しにくいのかという構造は、こちらで分析しています




まとめ:検索で把握すべき日本の安楽死反対勢力


日本で安楽死制度をめぐる議論を調べる際、DPI日本会議、JCIL、ピープルファーストジャパンを中心とする障害者団体の動向は、政策判断や世論形成に直結する重要な要素です。


(※再掲:重要)

認定NPO法人DPI日本会議⇒障害者団体を束ねた組織   (尊厳死&安楽死反対の総本山)。認定NPO法人DPI日本会議の案内文。尊厳死&安楽死反対の総本山、内閣府や厚生労働省のテキストが強調。組織名が多数列挙。
『連合』『自治労』『日教組』『全労協』『朝日新聞』『韓国』『部落解放同盟』……



👉 「滑り坂論」については制度と事実から検証しています


👉 同調圧力や強制の問題については、こちらで詳しく分析しています




論点整理

論点

反対・慎重論

制度化を支持する側からの論点

確認すべき資料

社会的圧力

弱者が死を選ばされる可能性

圧力防止を法定要件化

Battin / Finlay

障害者

障害を理由に死を選択する危険

障害そのものを一律排除しない制度設計

Tuffrey-Wijne

滑り坂

適用範囲が拡大する可能性

法定要件・監視・透明性で制御

Miller & Kim

判断能力

意思決定能力の評価が困難

複数専門家による評価

RTE資料

緩和ケア

苦痛緩和を先行すべき

難治性苦痛が残る場合がある

PubMedレビュー

医師

職業倫理との衝突

本人の自己決定尊重

医師意識調査

事後審査

事後審査だけでは不十分

第三者審査・公開制度

オランダRTE



人物名|所属|安楽死との関係|確認資料

人物

所属・肩書

本記事で扱う理由

一次資料

児玉真美

著述・活動

安楽死・障害者政策について継続的に発信

著作・公式発言

川口有美子

NPO法人さくら会

ALS・終末期をめぐる発言

団体資料

岡本直樹

DPI日本会議等

安楽死・尊厳死関連活動

DPI公式資料

渡邉琢

JCIL

安楽死・尊厳死に関する活動

JCIL/DPI資料


安楽死反対論の論点マップ

       安楽死・尊厳死

     │

┌────────┼────────┐

↓      ↓      ↓

障害者権利   医療倫理     社会保障

│      │      │

命の選別   医師の役割     支援不足

社会的圧力   判断能力    家族負担

優生思想    緩和ケア    経済的圧力

│      │      │

└────────┼────────┘

     ↓

     制度化への懸念

      ↓

     法制度設計の論点

      ↓

┌──────────────┐

│ 本人意思 │ 独立評価 │ 監査 │

│ 圧力確認 │ 透明性 │ 公開 │

└──────────────┘


論点比較表

項目

反対・慎重論

制度化を検討する立場

自己決定

社会的圧力による意思形成を懸念

本人の自己決定を尊重

障害

障害者への圧力を懸念

障害を一律の排除要件にしない

緩和ケア

まず緩和ケアを充実させるべき

難治性苦痛への対応も必要

安全策

制度そのもののリスクを重視

多層的な安全策を設ける

審査

事後審査だけでは不十分との懸念

第三者審査・公開を重視

制度拡大

滑り坂への懸念

法定要件を明確化




👉 緩和ケアと安楽死の違いについては、こちらで詳しく解説しています


👉 日本における安楽死の法律的な扱いについては、こちらで詳しく解説しています↓




FAQ(よくある質問)


Q1.安楽死と尊厳死は同じものですか?

いいえ、一般には区別して考える必要があります。

「安楽死」は、本人の意思に基づき、医療者などが死をもたらす行為を指す場合があります。一方、「尊厳死」は、延命治療の差し控え・中止や、本人の意思を尊重した終末期医療など、複数の意味で使用されています。

そのため、議論する際には「安楽死」「自殺幇助」「尊厳死」「延命治療の中止」などを区別することが重要です。


Q2.なぜ障害者団体は安楽死・尊厳死の法制化に反対するのですか?

主な懸念の一つは、障害や難病のある人が、社会的孤立、介助不足、経済的負担、家族への負担感などを背景として、「死を選ぶこと」を事実上求められる可能性です。

DPI日本会議も、障害者や難病者が必要な医療・介助・支援を受けながら地域で生活できる社会の実現を重視し、安楽死・尊厳死法制化に反対する立場を公式に示しています。

ただし、「障害者団体の懸念があること」と「安楽死制度そのものが必ず危険であること」は同じ命題ではありません。制度設計によってどこまでリスクを抑えられるかについては、別途検討する必要があります。


Q3.緩和ケアを否定しているのですか?

いいえ。緩和ケアを否定することと、緩和ケアだけでは対応が難しいケースについて制度を検討することは別の問題です。

厚生労働省も、人生の最終段階において疼痛やその他の不快な症状を十分に緩和し、精神的・社会的支援も含めた総合的な医療・ケアを行うことを重要な原則としています。

一方、医学研究では、緩和ケアを行っても一部の患者に難治性の症状が残ることが報告されています。


Q4.反対意見や制度上のリスクも検討していますか?

本記事では、安楽死制度に反対・慎重な立場から示されている「社会的圧力」「障害者への影響」「判断能力」「制度拡大」「医療者の判断」などの論点も取り上げています。

また、オランダなどの制度について、制度上の安全基準が実際にどのように運用されているかを検討した査読付き研究も紹介しています。


RiPの立場と、反対・慎重論を示す研究者や団体の立場は区別して記載します。

Q5.障害者団体はすべて安楽死に反対しているのですか?

いいえ、「障害者団体」という一つの集団がすべて同一の見解を持っていると断定することは適切ではありません。

本記事では、各団体が公式に公表している声明、活動方針、集会資料などを確認し、それぞれの立場を整理しています。


Q6.DPI日本会議は実際に安楽死・尊厳死に反対しているのですか?

はい。DPI日本会議は公式サイトの「尊厳生」ページや活動資料において、安楽死・尊厳死法制化に反対する立場と活動内容を明記しています。

本記事では、RiPによる評価ではなく、可能な限りDPI日本会議自身の公開資料を一次資料として確認しています。


Q7.安楽死制度にはどのようなリスクが指摘されていますか?

主な論点として、本人の意思が社会的・経済的圧力によって形成される可能性、判断能力の評価、精神疾患や認知機能低下を伴うケース、障害者や高齢者などへの影響、医療者による判断、制度の適用範囲の拡大、事後審査の実効性などがあります。

これらの論点については、賛成・反対の双方から異なる研究結果や評価が存在します。本記事では、可能な限り一次資料と査読付き研究を併記します。


Q8.安楽死と自殺幇助は同じですか?

同じではありません。

一般的には、医師などが薬剤を投与して死をもたらす場合を「安楽死」、本人が自ら薬剤を使用する場合を「自殺幇助」または「医師幇助自殺」と区別します。

ただし、各国の法律上の定義や制度名称には違いがあるため、国ごとの制度を比較する場合には、それぞれの法的定義を確認する必要があります。


👉 安楽死と自殺の違い・関係を整理したい方は、こちらをご覧ください↓




🔽関連記事


👉 安楽死の全体像から整理したい方は、こちらをご覧ください


👉 各国制度の実態については、こちらで整理しています


👉 地図で確認する安楽死が合法の国 一覧と各国の制度↓


👉 世界の安楽死制度の成立経緯を年代順で知りたい方は、こちら↓




嘆願書送付アクション


本サイトでは、各国制度、安全性・濫用防止、緩和ケア、身体疾患による苦痛と自殺などについて、国会提出用の補足資料も公開しています。



書類 一覧


・嘆願書 本文『人道的終末選択の法制化に関する提言書』

・補足資料① 日本における安楽死制度の法的現状と制度的空白

・補足資料② 各国制度比較と日本への制度モデル

・補足資料③ 制度設計・安全性確保・濫用防止策

・補足資料④ 緩和ケアの限界と終末期医療の課題

・補足資料⑤ 身体疾患・身体障害による苦痛と自殺の実態

・カバーレター:ご挨拶(1ページ)

・要約文(2ページ)






参考文献・一次資料


学術論文

・Battin MP, van der Heide A, Ganzini L, van der Wal G, Onwuteaka-Philipsen BD. Legal physician-assisted dying in Oregon and the Netherlands: evidence concerning the impact on patients in "vulnerable" groups. Journal of Medical Ethics. 2007;33(10):591–597.DOI: 10.1136/jme.2007.022335 / PMID: 17906058 PubMed

オレゴン州とオランダのデータを用いて、障害者・高齢者・低所得者などの「vulnerable groups」が安楽死・自殺幇助によって不均衡な影響を受けているかを検討した研究です。


・Finlay IG, George R. Legal physician-assisted suicide in Oregon and The Netherlands: evidence concerning the impact on patients in vulnerable groups—another perspective on Oregon's data. Journal of Medical Ethics. DOI: 10.1136/jme.2010.037044 / PMID: 21071568 PubMed

上記Battinらの研究結果について、特に「脆弱性」の捉え方やOregonのデータ解釈を批判的に検討した論文です。


・Miller DG, Kim SYH. Euthanasia and physician-assisted suicide not meeting due care criteria in the Netherlands: a qualitative review of review committee judgements. BMJ Open. 2017;7.DOI: 10.1136/bmjopen-2017-017628 / PMID: 29074515 / PMCID: PMC5665211 PubMed

オランダで法定の「due care criteria」を満たさなかった事例を分析し、制度上の安全装置が実際にどのように機能しているかを検討しています。


・Tuffrey-Wijne I, Curfs L, Hollins S, Finlay I. Euthanasia and physician-assisted suicide in people with intellectual disabilities and/or autism spectrum disorders: investigation of 39 Dutch case reports (2012–2021). BJPsych Open. 2023;9(3).DOI: 10.1192/bjo.2023.69 / PMID: 37218567 PubMed

知的障害・自閉症スペクトラムのある人に関するオランダの39事例を分析した研究で、意思決定、苦痛、社会的孤立などの論点を検討しています。


・Tuffrey-Wijne I, Curfs L, Finlay I, Hollins S. Euthanasia and assisted suicide for people with an intellectual disability and/or autism spectrum disorder: an examination of nine relevant euthanasia cases in the Netherlands (2012–2016). BMC Medical Ethics. 2018;19:17.DOI: 10.1186/s12910-018-0257-6 

オランダの関連事例を詳細に検討し、知的障害・自閉症と安楽死をめぐる意思決定上の問題を分析しています。


・Emanuel EJ, Daniels ER, Fairclough DL, Clarridge BR. The Practice of Euthanasia and Physician-Assisted Suicide in the United States: Adherence to Proposed Safeguards and Effects on Physicians. JAMA. 1998;280(6):507–513.DOI: 10.1001/jama.280.6.507 / PMID: 9707132 PubMed

安楽死・自殺幇助における複数の安全基準が、実際の事例でどの程度守られていたかを検討した研究です。


・Materstvedt LJ.Intention, procedure, outcome and personhood in palliative sedation and euthanasia. BMJ Supportive & Palliative Care. 2012;2(1):9–11.DOI: 10.1136/bmjspcare-2011-000040 / PMID: 24653491 

緩和的鎮静と安楽死について、目的・手続・結果・本人の位置づけという観点から両者の違いを論じています。


・Systematic Review of Common Refractory Symptoms in the End-Of-Life Situation and Its Relation With Euthanasia. PubMed: PMID 35441562 PubMed

人生の最終段階における難治性症状をレビューし、緩和ケアによって対応可能な症状と、なお困難が残る症状について検討しています。



公的機関・一次資料

・DPI日本会議「尊厳生」

DPI日本会議自身による、安楽死・尊厳死法制化に対する立場と活動資料の一覧。DPI日本会議「尊厳生」


・DPI日本会議

「尊厳生部会」活動方針・活動報告障害者・難病者の安楽死・尊厳死・自殺ほう助の法制化に対する同団体の公式な立場を確認する一次資料。DPI日本会議 公式資料


・厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」

人生の最終段階における本人の意思決定、医療・ケアチームによる判断、緩和ケア等について示した日本政府の公式ガイドラインです。厚生労働省・ガイドライン


・内閣府「障害者政策委員会基礎資料集」

障害者差別解消法、障害者権利条約等、日本の障害者政策に関する政府資料を確認できます。内閣府・障害者政策委員会資料




安楽死に反対する障害者団体とは?

日本で安楽死・尊厳死の法制化をめぐる議論を理解するためには、賛成・反対それぞれの立場を確認する必要があります。

本記事では、特に障害者運動・自立生活運動の側から安楽死・尊厳死の法制化に反対・慎重な立場を示している団体について整理します。

主に取り上げるのは、DPI日本会議、日本自立生活センター(JCIL)、ピープルファーストジャパンなどです。

重要なのは、「障害者団体は安楽死に反対している」という一括りの理解ではありません。

それぞれの団体が、


  • なぜ安楽死・尊厳死に反対しているのか

  • どのような社会的・医療的リスクを問題視しているのか

  • どのような政策や制度を求めているのか


を、可能な限り各団体自身が公開している声明・活動資料を確認しながら整理します。

また、安楽死制度の安全性については、障害者運動側の懸念だけでなく、医学・生命倫理・法制度に関する査読付き研究も確認します。



本記事の情報源と調査方法

本記事では、情報の信頼性を確保するため、以下の資料を優先しています。

  1. 各団体の公式声明・活動方針・公開資料

  2. 日本政府・行政機関の資料

  3. 国会資料・法令・判例

  4. 海外政府・公的審査機関の資料

  5. PubMed収載論文

  6. 査読付き学術論文

  7. 信頼できる報道機関等の二次資料

なお、各団体が実際に表明している立場と、RiPによる分析・評価は区別して記載します。

特定の団体・個人について、公式資料から確認できない関係性や意図を推測して断定することは避け、確認できる資料に基づいて整理します。



RiP:Dの見解

RiP:Dは、これらの懸念を踏まえた上で、

制度そのものを否定するのではなく、安全装置を備えた法制度の検討を求めています。


事実

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反対団体の主張

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学術研究

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反対研究

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制度比較

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