緩和ケアの限界 日本 緩和ケア医の不都合な真実 ①
- リップディー(RiP:D)

- 6 日前
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【緩和ケアの限界 日本 緩和ケア医の不都合な真実 ①】
緩和ケアおよび鎮静について御存知ない方は、こちらを参照してください。
・緩和ケアの限界を伝える英国下院
まずは、こちらの4分16秒ある動画を御覧ください。
これはイギリス下院議会で、安楽死法案を前進するにあたって提出された報告書の資料をもとに、国会議論されている様子です。




・報告書の具体的内容
イギリス下院議会に提出された報告書とは、こちらになります。


(PDFでレポートをダウンロードすることも可)

『第4章』に注目しましょう
・イギリスの緩和ケア


上記の要約:
2019年に公表された医療経済局の報告書は、緩和ケアにおいて患者の痛みを適切にコントロールすることの難しさについて、豊富なエビデンスが存在することを指摘。
その一例として、イングランドにおける最新の調査(Royal College of Physicians, 2016)では、
症例記録の73%について詳細なレビューを行った結果、全体の79%では痛みが十分にコントロールされていた一方で、
病院で亡くなった緩和ケア患者の21%に、痛みが緩和されないまま残っていたことが報告されている。
さらに、この「痛みが緩和されていない割合」は、病院で亡くなった患者の家族・介護者を対象に実施された VOICES 調査(Office for National Statistics, 2016b)とも比較可能。
VOICES 調査では、次の結果が示されている。
最大32%の患者において、痛みが完全には緩和されていなかった
その内訳として、
4%は痛みが全く和らいでいなかった
28%は痛みが部分的にのみ緩和されていた
⇩
つまり緩和ケアを受けたにも関わらず、約20%~30%の患者は『苦痛死』していることです。
冒頭の動画は、それを指摘して
「終末期医療には緩和ケアだけあれば十分は間違い。上記のデータがあるからこそ安楽死制度が必要である」
と訴えています。
・安楽死合法国の緩和ケア
・カナダの例


上記の要約:
カナダ保健省が2022年に公表した最新の報告書(対象データは2021年)によれば、医師による安楽死を選択した人のうち
過半数である 80.7%が、すでに緩和ケアを受けていた
ことが示されています。なお、この傾向は過去数年と大きく変わらず、2019年は 82.1%、2020年は 82.8%と、いずれの年も同様の割合でした。
さらに、安楽死で亡くなられた人の52.6%が1か月以上にわたり緩和ケアサービスを受けていたことも報告されています。
この点についても、2019年および2020年とほぼ同水準。
加えて、2024年以降、カナダ保健省は、安楽死の申請者がどのような種類の緩和ケアを、どの場所で受けていたのかという詳細な情報の収集を開始する予定です。
これにより、緩和ケアと安楽死の関係性に関するデータは、今後いっそう精密で実態に即したものとなっていくと考えられます。
・ニュージーランド、オーストラリア、アメリカの例


上記の要約:
ニュージーランド、ビクトリア州、西オーストラリア州では、
安楽死の申請者の大半が、事前に緩和ケアへアクセスしている。その割合は、
ニュージーランドで76%
ビクトリア州で81%、
西オーストラリア州で85.3%に達する。
また、西オーストラリア州のフェリンガム医師は、安楽死を希望する患者の約95%が質の高い緩和ケアを受けていると述べ、彼らが死を選ぶ理由は「緩和ケア不足」ではなく、
尊厳・自律性の喪失や実存的な苦痛といった、
緩和ケアでも解消が難しい深い絶望に起因することが多い
と指摘している。
同様に、アメリカ・オレゴン州でも状況は一致しており、1997年〜2021年に安楽死を利用した人の90%以上がホスピスに登録しており、2021年には98%がホスピス利用者であった。
つまり、安楽死を求める人の多くは、すでに十分な緩和ケアを受けているにもかかわらず、解消できない苦痛を抱えているという傾向が共通して確認されている。
⇩
このように緩和ケアには限界があるのは事実ですが、日本の緩和ケア医は、それを決して認めようとしません。それどころか
「緩和ケアをどんどん普及させれば、皆さん安らかに亡くなれますよ」
「緩和ケアがあれば、スイスへ自殺しに行く必要などありませんよ」
と各メディアでプロパガンダしている始末です。
・緩和ケアの限界を伝える世界の国々まとめ (緩和ケアの限界 日本 緩和ケア医の不都合な真実)
イギリス:
・病院で緩和ケアを受けた患者の21%で痛みが完全にコントロールできず、32%は部分的にしか緩和されない(Royal College of Physicians, 2016; VOICES調査, 2016)
・がん患者の10~15%が治療抵抗性疼痛(※緩和薬剤が効かない痛み)を抱え、自己申告では最大30%が痛みを訴え続ける
・最適なホスピスケアを受けても年間5万709人が何らかの痛みを残して亡くなり、そのうち5,298人が最後の3ヶ月で全く緩和されない(Office for Health Economicsモデル)
・患者の証言では、「最高のケアを受けても耐え難い痛みと絶望が続き、動物を人間よりマシに扱っているよう」との声が多くあり、MS患者は「出口のない痛み」で自殺計画を立てるケースも報告されている(Dr. Matthew Doréの証言:「最善努力でも症状管理不能で苦しみを延長」)
*安楽死・尊厳死が合法化されている国々
(すべて緩和ケア受診率70~95%と極めて高い国々)
カナダ:
・利用者の77.6%が緩和ケアを受けていたにもかかわらずMAID(※いわゆる安楽死)を選択し、40%が1ヶ月未満の短期間しか利用せず、16.8%はアクセス可能だったのに拒否。
オレゴン州(米国):
利用者の91.4%がホスピス・緩和ケアに入所中で、46%がケア介入で安楽死を取りやめる一方、15%は変わらず安楽死を選択。
家族への負担(48%)や治療費の懸念(125件が報告)などが理由で、件数は増加(2022年: 死因の0.6%)
オーストラリア(ビクトリア州):
81%が緩和ケアを受けていたが、2023年6月までの申請者の内306件中76%が末期がん患者で、処方後66%が実際に使用。
「自己喪失や尊厳の喪失」などの心の苦しみがケアに抵抗を示す。
ベルギー・オランダ:
合法化後に政府が緩和ケア予算を倍増させたが、安楽死件数はむしろ増加(ベルギー2021年: 2,700件、がん62.8%、神経疾患7.9% / オランダ2022年: 8,720件、死因5%、がん57.8%、神経疾患7.0%、精神疾患1.3%)。
精神疾患によるケースからも、心の深い苦しみ(絶望感)が緩和ケアの限界を示している.
*追加:
欧州緩和ケア学会(EAPC)2019年報告:
EAPCは、欧州27か国・約3万件の緩和症例を調査した上で、
・末期がん患者の 15〜30% は “最適治療を尽くしても”完全な疼痛緩和に達しない
・神経障害性疼痛を伴う患者の 20〜40% は難治性の痛みを抱え続ける
と結論づけている。
WHO Technical Report(2018):
WHOは世界調査の中で
“難治性疼痛(refractory pain)”が発生するのは全末期患者の約10〜20%
モルヒネ・フェンタニル等のオピオイドでも、痛みの消失ではなく「減少」にとどまる症例が一定割合存在
身体が薬物に順応し、耐性上昇が起きると副作用ばかり増えるという構造的問題を明記している。
・痛み以外の“緩和困難な苦痛”の実在
(緩和ケアは痛み以上に、呼吸困難・倦怠感・存在的苦悩に対しても効果が限定)
呼吸困難(dyspnea)
The Lancet Respiratory Medicine(2017)
・末期患者の 65〜70% が呼吸苦を経験
・そのうち 25〜35% が“薬物治療に十分反応しない”
・オピオイド・酸素療法・ステロイドの併用でも“完全緩和は極めて困難”
倦怠感・全身衰弱(fatigue)
Journal of Pain and Symptom Management(2020)
・緩和ケアにおける倦怠感の平均改善率:20〜30%
・つまり 70〜80% は「症状は残ったまま」
存在的苦悩(実存的な苦痛)(existential suffering)
カナダMAID事例解析(2021)安楽死希望者の主訴の上位は以下:
尊厳の喪失(87.7%)
自立機能の消失(86.3%)
活動性の喪失(83.4%)
苦痛の制御不能(57.6%)
これは「痛み」が直接の主因ではなく、“人としての存在が破壊されていくこと”こそが最も重大な苦悩であることを示している。
医学的には、この「存在的苦悩」は薬物ではほぼ改善しない。
【結論】
・緩和ケアを受けた約80%の患者は『安らかな死』を迎えられるが
残りの約20%は『苦痛を伴った』悲惨な死を遂げている実態
・そして…
緩和ケアサービスが、いかに充実&普及していようが、いまいが…
患者がサービスを受けようが、仮に受けまいが…
最期に安らかな死 (安楽死)を求める感情は普遍的に存在する
・日本の緩和ケア医は苦痛死する『20%の患者』を何らかの理由で
意図的に無視。その点を隠蔽するだけでなく、緩和ケアの万能感をプロパガンダ

フジテレビ ザ・ノンフィクション
【私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~】
(女性のXアカウントはこちら ⇒ @mahomelc)
『マユミ』さんのXアカウント名は『めいしー』です。

巷のメディアに登場している全ての医師(特に緩和ケア医:※いずれ公開)の安楽死に対する姿勢は…残念ながら下図のようなものです。

しっかりと医療技術、緩和ケアの限界を公言している医師は、小説家としても有名な
『久坂部 羊』氏ぐらいです。

…「緩和ケアの発達によって、終末期のつらい症状はほぼ取り除ける」と、無責任きわまりない発言をしているのです。
どこまで医療を過信しているのかと開いた口がふさがりませんが、仮に額面通り受け取るとしても、「ほぼ取り除ける」ということは、取り除けない場合もあるわけで、安楽死はそういう人のために選択肢として必要なのです。





