基本方針 ~安楽死の合法化をめざす会~リップディー (RiP:D)
- リップディー(RiP:D)

- 9月18日
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更新日:6 日前
【基本方針 ~安楽死の合法化をめざす会~リップディー (RiP:D)】
当会 基本方針:(基本方針 ~安楽死の合法化をめざす会~)
当会は、人生の終末に深い苦悩を抱える人々に対し、尊厳ある選択肢としての安楽死制度を日本に導入する必要性を訴えています。
医療者の価値観やパターナリズム、また特定の思想・宗教教義に左右されることなく、
「個人の苦悩に対する社会的な応答」を最優先に考えます。
人が人生の最終段階において、自らの意思で、平穏で安らかな最期を選ぶ権利は、普遍的に保障されるべきです。
基本理念:
当会が目指す安楽死制度とは、安易な死の容認ではなく、
極限まで追い詰められた人々の苦痛に寄り添い、
自己決定の尊厳を守るための制度です。
世の中には、不運にも「重い障害」を背負い、標準治療や緩和ケアでも痛みが和らがず、「耐えがたい苦痛」「壮絶な不快感」を抱え、時に「精神の限界を突破せんばかり」の苦悩に満ちた人生を生きる方々が少なからず存在します。

例として、進行性がん、ALSなどの神経変性疾患、難病、治療抵抗性の重症疼痛(繊維筋痛症等)、あるいは事故による四肢麻痺など、現代医療の限界を超えてしまう実存的な苦痛も確実に存在します。
その苦悩に対し、社会は「生かすための技術」だけでなく、「尊厳ある終末を選ぶ自由」という選択肢を用意すべきであると当会は考えます。
当会はその理念を実現するにあたり、オランダの安楽死モデルを参考にし、複数の医師による判定、第三者機関の審査、手続きの明文化など、制度の透明性と安全性を徹底する立場をとります。
これは、安楽死の運用を社会的に信頼できる仕組みとし、患者が不利益を被ることなく適切に意思を行使できるようにするためです。

当会が考える「安楽死の適格基準」:
当会が重視する核心は、「回復の見込みがなく、医療や福祉によっても改善されない重大な苦痛が、いつの時代にも存在すること」です。
その判断においては、余命の要件や、特定の病態だけではなく、患者が抱える身体的・精神的苦痛、日常生活の破綻、自立性の喪失といった複合的な要素を総合的に評価していくべきです。
さらに、安楽死は医師や家族によって決められるものではなく、あくまでも本人の自発的かつ熟慮された意思によってのみ成立します。
意思能力が確認され、時間をかけた熟慮と複数回の意思表示がなされたうえで、複数の専門医が医学的妥当性を確認し、独立した審査機関が最終判断を行います。
こうした過程こそが、患者、家族、社会全体にとって「安心・安全な制度」を支えることになるでしょう。
私たちが考える安楽死の適格の基準
(オランダの安楽死モデルに準拠)
日本市民または永住者であること。または、申請時点で少なくとも12ヶ月以上の国内在住歴があること。
判断能力が保持されていること。
申請が本人の自由意思にもとづき、外部からの強制・誘導を受けていないこと。
苦痛が医学的・心理学的に確認され、緩和ケアやその他の治療を尽くしても改善が見込めないこと
十分な情報提供と説明を受けたうえで、自由意思にもとづいて判断していること
非末期疾患(認知症、四肢麻痺など重傷由来の実存的な苦痛、精神疾患)も含む。
制度導入に向けた現実的アプローチ:
当会は、身体的な痛みに限らず、実存的な苦悩や重度の精神疾患によって深い苦痛を抱える方々の現実に、社会が真摯に向き合う必要があると考えております。
そのうえで、安楽死制度を安全かつ確実に定着させるためには、導入初期の段階から慎重な運用が求められます。
当初は末期疾患を中心に制度を開始いたしますが、これは他の苦悩を軽視するという意味ではありません。
非末期であっても、重症疼痛、難治性の身体障害、治療抵抗性の精神疾患など、深刻な苦痛に直面する方々が存在することを、制度の初期段階から十分に認識し、考慮していくべきでしょう。そのうえで、制度の安全性・透明性を確保しながら、適格範囲の在り方については丁寧な議論と検証を重ね、慎重に判断していく姿勢が大事となってきます。
当会は、拙速な制度拡大を目的とするのではなく、「個々の苦痛の深さ」に誠実に応えるため、初期段階から幅広い苦悩に目を向けつつも、段階的で丁寧な制度形成を基本的な方針としています。
例:導入開始の最初期
疾患により、最長6ヶ月以内、また神経変性疾患の場合は最長12ヶ月以内に死に至ると予想されるなど。
※神経変性疾患:ALS、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、多発性硬化症、ハンチントン病など。
結び:
当会は、安楽死制度を「命の軽視」ではなく、苦痛に満ちた状況に置かれた人々に対する「社会の責任」であると捉えています。
医療者の伝統信条やパターナリズムに囚われず、また一つの思想や宗教的立場に依存することなく、多様な価値観を尊重しながらも、その中心には常に 『個人の苦悩と尊厳』を置いています。
平穏で安らかな最期を選ぶ権利を制度として認め、誰もが苦痛から解放される可能性を持てる社会の実現を目指し、当会は今後も誠実に議論と制度提案を続けていきます。
