【イギリス安楽死 #2】イギリス上院議会で安楽死法案の審議が停滞:少数派の「遅延戦術」が20年超の審議を招く可能性
- リップディー(RiP:D)

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更新日:2 時間前
【イギリス上院議会で安楽死法案の審議が停滞】
イギリス上院議会(House of Lords)で審議されている安楽死法案(Terminally Ill Adults (End of Life) Bill:末期疾患成人のための人生終了法案) が、現在、深刻な停滞に陥っています。
背景には、反対派の少数上院(貴族)議員(Peers)による大量の修正案提出など、実質的な「遅延戦術」ともいえる行為があり、このままのペースでは審議に 20年以上を要する可能性が指摘されています。
この法案は、「余命6か月以内」「判断能力のある成人」が医師の支援のもとで人生の最終選択をすることを認めようとするものです。
・世論調査では 約80%が賛成
・Dignity in Dying などの安楽死支持団体が長年キャンペーン
・2025年夏、下院では大きな反対なく通過
これまで経緯を振り返ると極めて順調に進んでいました。
ところが、上院は非選挙の貴族院という構造上、伝統的価値観・宗教的信条を持つ少数派の影響力が強く働きます。
「慎重審議」を名目にしていますが、実質的には“引き延ばし”と受け止められています。
BBC(2025年11月14日)によれば、上院には 過去最多900~1000件超の修正案が提出されました。内容は、
・「過去に英国を離れた者は対象外」
・「家族構成を再確認する追加要件」
といった、法案の核心から外れた論点も多く、議論を分散させています。
直近の金曜日審議では 7件 しか扱われず、単純計算で 20年以上の審議期間 が必要になります。
現地のニュースメディアは、「非選挙の貴族議員による民主主義への侮辱」と強く批判。(日本とは違って)マトモなイギリスの人権団体も、「talked out(話し尽くしによる葬送)」の危険を指摘しています。
下院議員からは懸念が相次いでいます。
・キット・マルスハウス議員 →「決定権は選挙された政治家にあるべき」
・アンドリュー・ロンズリー氏 →「下院で可決した法案を“議論の名の下で潰す”のは恥ずべき行為」
反対派は「強制や圧力のリスク」を理由とする修正案を正当化していますが、支持派からは、その多くは“名目に過ぎない”との見方が強い印象です。
「宗教的・伝統的価値観」vs「国民の多数意見」
が衝突している構図です。
ちなみに日本も同様の構造が起きています。
日本で安楽死議論が進みにくい理由は、特に宗教団体の影響力が実態以上に可視化されていない点があり、イギリスとは遠く離れた国ながら、実は根っこ部分では共通していることを強調しておきます。
またイギリス上院での安楽死法案停滞は、単なる一法案の問題ではなく、
・二院制の構造的限界
・非選挙の貴族(上院議員)が持つ拒否権的影響力
・国民多数の声との齟齬
これらを浮き彫りにしています。
安楽死支持団体 My Death, My Decision は、審議の迅速化と、市民の声に基づく判断を求めています。
将来的にこの法案が成立すれば、欧州での安楽死合法化の流れに大きな影響を与えるでしょう。引いてはアジア圏にも大きな影響をもたらします。
日本からも注視すべき動向です。
下院議会で熱弁していたキット・マルスハウス議員の名スピーチ
※むふむふチャンネル様の提供動画
※留意事項
イギリス安楽死
日本と同じようにイギリスも二院制で、上院(貴族院)は、いわば“参議院”に相当する…かのように映ります。
しかしイギリスの場合は他国と違い、上院議員は、日本の参議院選挙のように、選挙によって選ばれてはいません。 画像のように「はぁ?」みたいな仕組みをもっています。
極め付けは、聖職者26人は『特権的に』議席を持つことができる事実。こんな“ヘンテ古風”な仕組みが残るのはイランだけです。
日本もアレですが、英国議会も「こんなもん」です。 驚きませんか?




